2015.01.31 [ 歴史・祭・暮らし ]
富貴浮雲に 【井月さんのこころ99】
NHKの木曜時代劇「風の峠~銀漢の賦~」が15日から連続6週で放映中ですね。
原作は、2007年松本清張賞を受賞した葉室 麟(はむろ りん)さんの『銀漢の賦』。
銀漢とは銀河(天の川)のこと。原典は、宋時代の代表的な詩人蘇軾(蘇東坡)が詠んだ「中秋の月」にあります。
暮雲収蓋溢清寒 暮雲収め尽くして清寒溢れ
銀漢無聲轉玉盤 銀漢 声無く 玉盤を転ず
此生此夜不長好 此の生 此の夜 長くは好からず
明月明年何處看 明月 明年 何れの処にて看ん
現代語訳
日暮れに、雲はすっかり無くなり、さわやかな涼気が溢れている。
天の川には、玉の盆のような月が音もなく昇り。
この楽しい人生、この楽しい夜も永遠に続くものではない。
この明月を、来年は何処で眺めていることだろうか。
蘇東坡も流転の人生を送り、井月さんと同じく66歳で没しています。
人生には様々な出会いと別れがありますが、今生の別れは悲しく寂しいものです。
昨年の初午祭りの頃には元気で一緒に酒を酌み交わした同姓の兄様の豪快な声をもう一度聞きたかった。兄様は、井月さんと同様に酒が大好きで、贈られた戒名に「醇厚」とあります。田舎相撲を取っていた我が祖父も「徳利」の量が桁外れの大酒呑みであったそうで、付けられた戒名が「徳量院」なのだそうです。
醇厚輝英清居士を見送りて
散り逝くを富貴浮雲や今朝の雪 青巒
念珠百八森羅万象 朴翆
雪晴れに仰ぐ銀漢聲は無し 青巒
今週の結びは、愚良子先生が詠んでいるこの句です。
「春日愚良子句集」から
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