2014.03.01 [ 歴史・祭・暮らし ]
初午祭りの頃【井月さんのこころ50】
井月さんのこころ シリーズ その50
2月22日(土)は、同姓の祝殿様(いわいでんさま)の祭礼でした。
豊作祈願の初午の祭りです。今年の初午は、立春当日の2月4日でしたが・・・
16日が二の午で、更に遅めになってしまいましたが、皆の都合が合う「大安」のこの日に行なうことになりました。
初午や都合で二の午三の午 青巒
豊川稲荷を祀ってある祝殿様の祠の前の赤い鳥居に榊を立て注連縄を張り、お神酒を捧げ、神饌(みけ)には、お稲荷様の好物とされる「揚げ」を供えます。
ところが今年は大雪で山に入れず、榊が切れませんでした。お正月に立てた松と榊がまだ青みが残っていたので、それに我が家の庭の松の枝を添えて、注連縄を新しくお祀りしました。
2週連続して降った大雪がまだ消え残っています。
祓詞(はらえことば)を述べてお祓いをし、祝詞(のりと)を唱えます。
昨年は1月の大雪で祠の周りの松の大枝が折れて、それを片付けるのに3人ほどで一日がかりでした。今それを薪ストーブの貴重な燃料として使っています。
直会(なおらい)は、恒例により三河屋さんで鍋を囲んで「すき焼き」をいただきます。
その前に、床の間に「正一位豊川稲荷大明神」の掛け軸を掲げて、神事を行ない、全員で般若心経(はんにゃしんぎょう)を唱えて、来し方一年の感謝と今行く先一年の息災を祈ります。
豊川稲荷は、昨年のB1グランプリが開催された愛知県豊川市にある、曹洞宗の寺院です。
正式の寺号は、「円福山 豊川閣 妙厳寺」(えんぷくざん とよかわかく みょうごんじ)であり、法堂(本堂)には本尊として千手観世音菩薩をまつり、本殿には山門の鎮守・護法の善神である豊川吒枳尼真天(とよかわだきにしんてん)すなわち「お稲荷様」が祀られています。吒枳尼真天は、稲穂を荷い、白い狐に跨っておられる天女であります。
昨年のB1グランプリのブログ記事は、こちらをご覧ください。
井月さんにも初午の句があります。
初午や蚕の種も祭らるる 井月
以下、この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
初午は二月の最初の午の日。この日稲荷神社で初午祭りがある。農耕の神で、養蚕農家は蚕豊作を祈って蚕の種にも祈願をこめる。
「はつ午やたねを分けたる神虫客 井月」養蚕も蚕の種がよくなければという思いはみな同じ。そこで、初午で祈願を込めた種を分かち合う。
蚕の文字を「神虫」と書くのは蚕を崇める心の現れ。既に中国で用いている。
(初午・春)
注:評釈中の「神虫」は一字で、「蚕」を表す。神の下に虫を書く15画の「蚕」という字がIMEパッドには見当たりませんでした。
写真:神に虫 一字で「蚕」
「字」の話といえば、
長野県伊那文化会館開館25周年記念事業
第1回 伊那谷で育った中村不折に続け!子どもたちの書初め書道展が、
2月22日(土)~3月2日(日)まで、長野県伊那文化会館 美術展示ホール(入場無料)で開催されています。
中村不折賞の受賞作品は、兎にも角にもすばらしい。
中村不折賞
特別賞(中村不折賞を含む)
金賞
来週3月3日(月)~7日(金)午前9時~午後3時 には、
アルプス中央信用金庫 1階 多目的ホール へ移動して展示されます。
詳しくは、こちら。
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