い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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新米炊く頃 【井月さんのこころ82】

  新米や塩打って焼く魚の味  井月

 この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、

 新米を炊いて、塩を打って焼いた川魚を添えて食べる。新米はうまい。お米は毎日食べても飽きない。といって、特別の味があるわけではない。さまざまな味のおかずを添えておいしい食事ができる。

 また、新米を用いて、餅を搗く、酒を醸す。「餅も酒も皆新米の手柄かな 井月」保管法の進歩した今でも、新米はよい。

 (新米・秋)

  南箕輪CE002

 さて、国による米の生産調整(減反)政策があと3年で終了することが決まり、平成30年度以降の米づくりをどうしていくかは、上伊那地域にとって大きな課題です。

 先月、知事への地方事務所長施策提案の一つとして「米を中心とする上伊那農業の底力強化への支援」を行いました。

 提案の趣旨は、平成30年度以降、行政による米の生産数量配分がなくなることを踏まえ、上伊那地域農業の底力である米、酪農生産に加え、基盤整備率の高さに一層の磨きをかけ、他産地の一歩先をいく米の生産基盤と「かみいな米」のブランド化を確立し、上伊那地域の強みを活かした持続的かつ安定的な農業の発展につなげることです。

 酪農家からは価格が高い輸入トウモロコシの代替に地域の米を活用したいと希望があり、飼料用専用種の導入検討も始まっています。

 また、現行の行政による主食用米の生産数量配分について、JA系統組織による県下最大の出荷量を誇る上伊那は米の主産地として粛々と生産調整(減反)に協力していますが、主食用米の生産数量の割当を県平均以上に減らされている不満が溜まっているのも事実です。

 更に、不在の農地所有者が農地の流動化を阻害していたり、耕作放棄等によって農村景観を悪化させていることなどから、不在地主への対応も課題です。

 こうした状況を踏まえ、「米サイド」「酪農サイド」「基盤整備サイド」が同じテーブルで協議するために「耕畜・基盤連携水田活用米穀需給調整会議(仮称)」を設置し、徹底的な話し合いを行い、地域農業の将来像を決定していきたいと考えます。

 農地のゾーンニングによる集約を図るに当たっては新たに創設された「農地中間管理制度」を活用するほか、不在地主(土地持ち非農家)の所在確認等のため専門的な人員の設置なども検討する要素です。そして、こうした協議を加速化するために、2つの提案をしました。

 1点目は主食用米数量配分に係る新たなルールの提案です。

 現在検討されている主食用米の配分ルールに、今般創設された農地中間管理制度を活用して飼料用米などの「非主食用米」か「主食用米」かの区分に関わらず団地化等を図った場合に、集約面積の一定率を「主食用米の数量配分」に反映するルールを現行制度に追加していただくよう提案しました。例えば、100haを団地化したらその20%、20haを主食用米として地域に配分していただきたいということです。これによりコメ農家の生産意欲の高揚と酪農家への飼料用米の安定供給が期待できます。

 2点目は農地流動化を促進させるインセンティブの創設です。

 農地所有者が集約化のための権利移動に対して前向きになっていただくための「踏み切り料」的な位置付けで、農地価格と農地を宅地等に転用した際に設定される地域の平均的な土地価格との差額を上乗せして支給する制度の創設を提案しました。財源は国費対応で行えるよう要望して欲しいと思います。これにより地権者の農地の権利意識が改善され農地の賃貸による集積が進むことが期待できます。

 このように地域内での協議の仕組みが出来上がり合意を得られれば、「農地中間管理事業」の協力金等を活用して団地化を図ったり、再圃場整備なども農家負担を少なくして実施可能となるほか、JA上伊那の米穀施設再編で使用されていない空きのカントリーエレベーターを再活用して飼料用米の粉砕機械等の施設整備も行うことができるようになります。

 上伊那地域は、JA上伊那による米穀施設再編を行い、県内のカントリーエレベーターの半数以上を保有する米の主産地です。この提案により、上伊那の強みである米と酪農、そして農地の基盤整備率の高さに一層磨きをかけ、米については8市町村全体での「とも補償」を加工米、飼料米に小麦、蕎麦、大豆などを組み合わせながら今後3年間は維持しつつ、平成30年度以降も米産地として生き残れるように合意形成を図ってまいりたいと考えています。

 

 心配された巨大台風19号ですが、14日未明に上伊那を横断したものの警報の発令もなく通り過ぎてくれました。全国的には大きな被害が発生し、電車も学校も休止の事前予告が出されて、これには賛否両論がありました。見逃し三振をしたくないばかりに休止。上伊那管内は、空振りで助かったのですが………。

  厳戒も空振り三振秋台風  青巒

 

 DSC_0867今週の結びは、愚良子先生が詠んでいるこの句です。

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