2013.06.08 [ 食・農・旅 ]
心太(ところてん)水からくりのように【井月さんのこころ13】
井月さんのこころ シリーズ その13
6月1日(土)伊那市西春近の「かんてんぱぱガーデン」で「かんてんぱぱ祭」が開催されていました。
ゼリーやババロアなど「かんてんぱぱ」ブランドで有名な伊那食品工業株式会社が、社員の皆さんの手作りでお客様に感謝するイベントで、今年で11回目だそうです。
たいへんな賑わいの中で、多彩な催しを見させていただきました。
まず、社員の皆さんの太鼓クラブ「天太」の力強い和太鼓演奏です。
次は、「ヘイ・ティアレ・タヒチ」の皆さんによるタヒチアンダンスです。
そして、大鹿発よさこいソーラン節「美翔蓮」の皆さんの踊りです。
会場のあちこちで家族連れの笑顔がいっぱい溢れていました。
ところてん、あんみつ、わたあめは無料で配られていて、大変な人気でした。
ところで、ここの山野草園に、ところてんを詠んだ井月さんの句碑が建っています。
(井月碑)銭取らぬ水からくりや心太(ところてん)
銭取らぬ水からくりや心太(ところてん) 井月
以下、この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
「水からくり」は、水の落差を応用して人形を動かす等、水を利用した手品の見世物。心太は、箱に入れて一方から突くと他方から細長く出てくる。その様子が面白くてまるで水からくりだ、しかもこれは銭を取らない見世物だという。心太はこころぶととも読む。てんぐさから作る。
この句の碑が二〇〇〇年西春近のかんてんぱぱ山野草庭園にできた。
(心太・夏)
ここ「かんてんぱぱガーデン」は、年間38万人のお客さんが訪れる、今や伊那谷を代表する一大観光地です。
本社・北丘工場一帯3万坪の赤松林を活かした、訪れる人が安心して憩える緑の空間で、寒天レストランやそば店などがあり、工場見学もできます。
無料で観られる野村陽子さんの植物細密画館や青野恭典さんのフォトアートギャラリーもすばらしい。
まさに「美しい」自然と「銭取らぬ」文化とが融合した、何時訪れても元気がもらえて、賑わいが感じられる空間です。
漂泊俳人の井月さんを温かく受け入れて、もてなした伊那谷の伝統が感じられる「居心地の良い」空間でもあります。
萬両の価値ある庭や心太 青巒
(まんりょうのかちあるにわやこころぶと)
かんてんぱぱガーデンへのリンクはこちらです。
https://www.kantenpp.co.jp/garden/
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