信州森林づくり応援ネットワーク

あなたにちょうどいい森林との付き合い方を探す場所、それが「信州・森林づくり応援ネットワーク」です。楽しみ方を発見すれば、森林との距離はグッと縮まりますよ。信州には、森や山などの自然に魅了されている多くの人がいます。そんな人々が、きっかけのほしいあなた、つながりを求めているあなた、スキルアップしてみたいあなたをご案内します。信州の木を使った取組の話題もありますよ。

お歯黒の原料  みーつけた

長野県林業総合センター指導部Kです。

林業総合センターの構内でアメリカシロヒトリに加害されたヌルデの木を見つけました。
今年は、数年ぶりにアメリカシロヒトリの幼虫が各地で沢山発生しているようで、幼虫に食べられて丸坊主になってしまった木も見かけています。
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森に囲まれているせいか、アメリカシロヒトリの被害はほとんど見られないのですが、周囲で大発生しているときは、ここでも被害を受けることがあります。

被害の状況を確認しようと近づいてみると、木の一部に赤い色が見えました。
ヌルデは、秋の早い時期から紅葉することで知られており、
「小さい秋見つけた!」
と近づいてよく見ると、
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色がついているのは葉ではなく、写真のような「実」???のようなもの?。
ヌルデの実は、幹から穂を下げ、その先に茶色い種子をつけるので、このようなごつごつした雰囲気にはなりません。
これが木のあちらこちらにブラブラとぶら下がっており、紅葉し始めた雰囲気になっていました。
ちょっと調べてみようと、赤い実と思われるものを切り取ってみると、葉っぱの一部がふくらんでおり、「虫こぶ」と呼ばれるものだとわかりました。
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「虫こぶ」とは、植物の組織が異常に発達したこぶ状の突起で、昆虫や菌などが寄生することでできます。
一般的な「虫こぶ」の中には、寄生した昆虫などの幼虫が生育していることが多く、大きく膨れた虫こぶであれば成長した虫がいるはずだということで、虫こぶを割ってみました。
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中を開けてみると、白い綿のようなものの間に小さくて動くものが・・。

調べてみると、これは「ヌルデシロアブラムシ」というアブラムシ。成虫になると、黒紫色になるとのことでしたが、今回観たのはまだ薄茶色でしたので、まだまだ大きくなるようです。
本日さらにこの虫こぶは、元の葉の5倍以上に膨らむことから「五倍子」と呼ばれ、タンニンを多く含むことから、皮をなめすのに使ったり、黒色の染料に使われてきました。なかでも、インクの原料として、かつては広く使われており、「五倍子」の需要も多かったようです。

一見すると、びっくりする姿をしている「五倍子」ですが、私たちの生活でも使われていたことがあり、女性の化粧のひとつとして歯を黒く染める「お歯黒」は、この五倍子が主原料だったと伝えられています。

秋の訪れを感じさせる紅葉を探して歩いてみると、昔の人が利用していたこんな素材に出会うこともあるかもしれませんね。
今回、林業総合センターで見つけた「五倍子」は、森の間にひっそりと見つけた小さなヌルデの木についていました。残念ながら、全部収穫したとしても100個に満たない「五倍子」しか集められず、乾燥させてタンニンを抽出したとしても、お歯黒が一回できるかどうかという量になってしまいそうです。
お歯黒を集めるということは別として、秋の山を歩いてみると、こんな不思議なものに出会うこともありますので、ちょっと探してみたらいかがでしょうか。

〈本件に関するお問い合わせ先〉
林業総合センター 指導部
TEL:0263-52-0600
FAX:0263-51-1311
E-mail:ringyosogo@pref.nagano.lg.jp

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