こんにちは。林務課治山係です。
5月16日に阿南町新野で、竹の土木資材を使った現場の見学会を行いました。
治山工事の現場で見学会を行うことはあまりないのですが、
今回の見学会にはいくつかの見どころがありました。
それでは、この見どころについて順番に説明します。
※そもそも耳慣れない治山(ちさん)についてはこちら
1.南信州で問題となっている「竹」を土木資材として使ったこと
南信州は長野県内ではダントツに竹林が多く、放置竹林は景観を損なうだけでなく、竹が道に倒れたり、獣の住処となるなど私たちの生活にも身近な問題となっています。そして竹林の整備は毎年必要になりますが、所有者さんの高齢化や伐った竹の使い道が少ないため、整備されづらくなっているのが現状です。
これまでも竹をチップ化して農業で使ったり、若い竹をメンマに加工する取り組みなどが行われてきましたが、大量な消費にはなかなか繋がりませんでした。
この土木資材としての竹活用は
新たな活用の広がりが期待されます。
2.地元の竹林から伐採した竹を現場で使っていること
今回の現場で使用した竹は、阿南町和合の竹林整備で切られた竹です。この竹を4つ割に加工したものを、
根羽村森林組合の乾燥機で熱処理乾燥させ、土木資材として活用することにしました。
- 地域は、これまではお金にならなかった竹林整備、加工、森林組合までの運搬費用が資材メーカーから支払われ、竹林整備へのやりがいが生まれ、持続した整備が可能になります。
- 森林組合は、乾燥機が使われていない時期に乾燥費用が資材メーカーから支払われ、閑散期の稼働につながります。
- 治山現場は、県外等から運んでいた資材が地元で調達できることにより運搬費を抑えることができ、CO2削減にも貢献できます。
- 資材メーカーは、自然由来の資材活用で新たな工法が確立できます。
地域資源循環の仕組みが形成されます。
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