2014.07.04 [ 南信州の伝統・文化・史跡 ]
祝!「恒川官衙(ごんがかんが)遺跡」 国史跡指定(飯田市)
こんにちは!商工観光課です。
元善光寺で有名な飯田市座光寺地区にある恒川(ごんが)遺跡群が、平成26年3月18日に「恒川官衙(ごんがかんが)遺跡」として国の史跡となりました。「官衙」という古代役所の遺跡の史跡指定は全国で46番目、本県では初指定、飯田市初の国史跡の快挙です。6/7(土)に座光寺公民館において記念講演会がありましたのでお伺いしました。(写真は 飯田市教育委員会パンフレットより)
記念講演として、古代官衙研究の第一人者(独)国立文化財機構 奈良文化財研究所の山中 敏史先生のご講演がありました。奈良~平安時代の郡役所の役割やしくみ、建物の構造と機能、遺物から見た当時の人々のくらしぶりなど、わかりやすく説明いただきました。
正倉院(ここでは税である穀物を収納する国の倉)が当地にもあったんですね!
施設名や所有を示す文字が記された土器と正倉院の瓦
集落の祭祀に使われた木の道具。
飯田市教育委員会 文化財担当課長 松下 徹氏の講演は下記のような内容でした。
・都と東国を結ぶ当遺跡は、当時の中央政権が統一国家をつくるにあたっての東国統治の拠点として特に重要な役所であったこと
・史跡指定が実現できたのは、当地域の皆さんがもつ高い文化力と協力の賜物であること
・リニア駅近接の「歴史・文化ゾーン」として”2000年浪漫の郷づくり”構想(憩い・交流・学習の場 散策回遊型地域観光への活用等)が進められること そして
「文化財は過去の遺物ではなく、地域が地域であることの証であり、未来をつくる土台である 現在、そして未来のために進める2000年浪漫の郷づくり」
「恒川官衙遺跡は、リニア時代に向けた当地域のあり方を示すシンボルとしての価値を持つ大切な遺跡」
地元高岡地区の佐々木 嘉和さんにより遺跡発掘に長年係わられた体験談の発表がありました。子供の頃から土器・陶器のかけらや古銭拾い・発掘に親しんでこられたこと、そして「発掘は楽しい!それ以外言いようがない」
後日、遺跡の中心部で祭祀が行なわれていたとされる恒川清水(ごんがわしみず)へ行ってみました。ちょうど畑仕事をされていた地元在住のKさんにお声をかけていただき、お話を伺うことができました。古代から滔々と湧き出していた清水が、昭和50年代の国道153号バイパス建設工事により止まってしまったのだそうです。(場所は「座光寺高岡」信号近く)
Kさんのお宅に招いていただき、ご先祖が当地で見つけ伝えられた古銭を拝見しました。(右)歴史の授業で教わった!和同開珎(わどうかいちん)と永楽通宝。
国道沿いには「古代木器発掘の地」の石碑。
飯田市美術博物館(びはく)では、現在史跡指定のロビーパネル展を開催中(~7/11(金)まで)。今秋(10/4(土)~12/23(火))には記念企画展が予定されています。
(ちなみに、本年は飯田市出身でわが国を代表する日本画家 菱田 春草(ひしだ しゅんそう)の生誕140年、東京国立近代美術館で今秋 記念大回顧展が開催されます!)
【 恒川清水及び遺跡付近 】
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