南信州お散歩日和

南信州は、広い長野県の南端に位置しています。やわらかい方言が使われ、人も土地柄も温かく穏やかな当地域には、 各所に温泉があり、賑やかなお祭りもたくさんあります。 この地域ならではの魅力を職員がお伝えしていきますので、 南信州にどうぞおいでなんしょ!

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南信州の宝、国の宝「大鹿歌舞伎」~重要無形民俗文化財指定記念式典~

こんにちは、企画振興課のRMです。

皆様も御存知のとおり、本年3月3日、大鹿歌舞伎が国の重要無形民俗文化財に指定されました。これを記念して、7月8日に大鹿村交流センターで式典が開催されましたので、その様子をお伝えします。

大鹿歌舞伎は、江戸時代中期(明和4年、1767年)の公演記録が残る歴史ある地芝居で、途中、幕府や明治政府からの禁止令等もありましたが、村民の皆様の熱意と努力により途絶えることなく伝承されてきました。中でも、大鹿小・中学校の生徒が総合学習で歌舞伎を学ぶという取り組みは、担い手不足に悩む民俗芸能が多い中で、継承のモデルともいうべきものです。この経験が元で大鹿歌舞伎の担い手となる若者が増えており、今年の春の定期公演でも、若い役者の熱演が、観客の皆様のおひねりと掛け声を誘っていました。

前置きが長くなりましたが、式典は、大鹿村長さんの式辞から始まり、続いて指定までの経緯の説明がありました。

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他の地芝居には無い大鹿歌舞伎の特徴として、本物の松や竹を用いる舞台装置やオリジナル演目(「六千両後日文章 重忠館の段」)の存在、役者・着付け・舞台等を全て村民が行っていること、村を挙げて伝承に取り組む体制などがあり、これらが指定への高い評価につながったとのことです。来賓の方から、国の重要無形民俗文化財指定ということは、大鹿歌舞伎がまさに「国の宝」になったことだ、とのお言葉があり、指定の重さを感じました。

また、約70年の長きにわたり大鹿歌舞伎の継承に御尽力された、大鹿歌舞伎保存会顧問の片桐登さんに感謝状が贈られました。片桐さんは、長年、大鹿歌舞伎の太夫を務めるとともに、昭和50年から続く大鹿中学校の歌舞伎学習の取組をスタートさせた方でもあります。片桐さんなくして今の大鹿歌舞伎なしと言っても過言ではないでしょう。今回の指定を誰よりも喜んでいることが謝辞からも伝わってきました。

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後半は記念公演・講演です。演目は平家物語の一ノ谷の合戦を題材にした「一谷嫩軍記 須磨浦の段(いちのたにふたばぐんき すまのうらのだん)」です。昨年の秋の定期公演でも取り上げられた演目で、時間の関係で今回は短縮版です。平氏の平敦盛と源氏の熊谷直実の組内のシーンから始まります。(秋の公演の様子はこちらを御覧ください。)

短縮版には登場しない玉織姫(敦盛の許婚)を秋の公演で演じた「るいちゃん」が今回は平敦盛を演じており、演目中の悲劇の2人を両方演じてしまうという芸達者ぶりに感心。なお、女性が役者となるのも大鹿歌舞伎の特徴です。

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我が子と同じ年頃の敦盛を討つことができない直実と、躊躇せずに討って後の自分の回向を頼むと言う敦盛。泣かせます。直実役の「こうちゃ」も、直実の堂々たる武者ぶりを表現した素晴らしい演技で、大鹿歌舞伎の若手役者の実力の高さに驚くばかりです。

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講演では、早稲田大学文学部の和田修准教授から、学生時代から関わり続けている大鹿歌舞伎の魅力についてお話がありました。

大鹿歌舞伎ファンの一人として、今回の重文指定は本当に喜ばしく、この素晴らしい大鹿歌舞伎を継承されてきた村民の皆様に対し、敬意と感謝の気持ちで一杯です。今回の指定を契機に、大鹿歌舞伎の益々の発展が期待されます。

大鹿歌舞伎の次回の定期公演(秋)は10月15日(日)に市場神社で開催されます。皆様、是非大鹿村へ足を運んでみてください!

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