2013.05.14 [ わたしたちの仕事 ]
逃がすなブラックバス!
はじめまして 農地整備課のMr.Kです。
3月まで暖かい南信のI田市で勤務していましたが、この4月に佐久に赴任してきました。
佐久は二度目の勤務ですが、赴任早々、4月というのに雪が降り、佐久の寒さを実感しました(汗)
でも、もともと佐久地方は内陸で雨が少ない気候ですので、水不足の対策のため、数多くのため池があります。
なかには、江戸時代の初めに造られた池もあり、老朽化で漏水したり危険な状態になっているため池もあるんです。
万が一、ため池が大地震で壊れると、下流に大きな被害をもたらします。東日本大震災でも、福島県のため池が決壊して、大きな事故になってしまいました。
そこで、農水省でも、東日本大震災を契機に、危険なため池を補強して、丈夫にすることになり、佐久地域でも、ため池の補強工事を行うことになりました。
場所は、立科町の牛鹿、宇山地域にある17のため池が対象で、今年は牛鹿大池の改修工事を行います。
このたび、工事に先立ち、ため池に貯めてある水を抜いて、池の中を乾かすことになりました。
牛鹿大池の全景
しかし、ここでひとつ問題が・・・
実は、このため池には、何らかの理由で、外来魚のブルーギルやブラックバスが放流されて、池のなかで繁殖して増えてしまっています。
池のなかを覗き込んでも、魚の影が、こう、うじゃうじゃと…
そのまま水を抜くとため池で繁殖していた外来魚が川に逃げ、最終的に千曲川まで下って行って、その勢力を拡大することになるかもしれません。
ブラックバス 生きたままの池からの脱出は許されません。
持ち出し禁止の前に、こちらの池は釣り禁止です。(ため池に転落するなど思わぬ水難事故防止のためです。)
外来魚の脱出防止のため、長野県水産試験場佐久支場の皆さんのご指導のもと、下流に絶対に逃がさないように、網を張ることにしました。
防御の最前線は、ため池から水を抜く水槽のなかに、ニワトリ小屋に使う網をグレーチングで補強したものを張りました。
それでも、この防衛線を突破していく元気のいい魚がいるかもしれません・・・
そこで、次の防衛線として、下流の水槽のなかに、リンゴのコンテナで補獲できる場所を設けました。みんな、初めての作業で四苦八苦していますね・・・
このコンテナは、地元のI理事さんが用意してくれましたが、秋にはおいしいリンゴを一杯詰めるんですよね~(もちろん、よく洗いますよ)
さて、ため池の水は、田んぼの代掻きなどに使われています。
立科町のため池の多くは、遠く蓼科山から40キロの水路を経て運ばれて来る水をためているんですよ!
今は雪を被っている蓼科山ですが、いずれこの雪が融けて、ため池まで運ばれてくるんですね
写真は、お隣の箱畳池からの蓼科山
順調に行くと、5月中旬にはため池の水が半分くらいになります。ため池の水が少なくなると、今度は池にボートを浮かべ、網を使って魚を捕獲する作戦が始まります。
ブルーギルやブラックバスなどの外来魚は、かわいそうですが駆除させていただき、鯉や鮒などが補獲できれば、近くのため池に放流します。
野山や河川敷でもアレチウリなどの外来種が繁茂しすぎて、たいへんな苦労をして駆除していますよね。
ため池も、迷い込んだのが数匹の外来魚でも、それが繁殖して数が増えてしまうと、再放流させないようにするには、非常にたいへんな作業になってしまいます。
皆さんもルールを守って信州の自然を守りましょう。
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