林務課です。
佐久地域の民有林では、約6割がカラマツの林です。
現在佐久地域では、長野県の他の地域と比べ、カラマツなどの伐採が盛んにおこなわれています。
それに伴って、伐採した場所に、苗木の植林も行われています。
現在、カラマツは、40年以上育てられたものを合板用の材料として流通しています。カラマツが合板に使われるようになったのは、10年ほど昔のことで、最初に植えられたときは、電柱や足場丸太、土木の杭材としての需要が多く、高度経済成長を支えるためでした。
確かに、現在の生活を見ると、電柱や足場丸太に木を使う場面はありませんので、これから植栽するのであれば合板用として30~40年育てていくことになると思います。
しかし、
土木用の杭は今でも需要があります。杭を育てるのであれば、20年くらいで収穫できることから、杭の材料を生産することに特化した林を作ってみようと考えました。
さらに、杭だけを収穫するのであれば、今までよりも間隔を狭めて木を植えてもよいのではと考え、新たな試験を行うこととしました。こうすれば、より多くの収益を得ることができるのかもしれません。
こんなことを現場で実証的に確認するために、令和2年の春から実験を始めました。
▲試験地の様子(令和5年4月24日撮影)
その結果、植えてから3年が経過したことで、ある木の樹高は330cmになり、令和5年の春から秋の間に樹高が1m以上伸びたことがわかりました。
植えたときは手で容易に持ち運びができた苗木が、大人の背丈を超えてぐんぐん成長していく様子を数字でも確認できました。
この試験では、杭として価値のある木材を生産するための技術を現場で使えるようにすることです。
そのためには、木が大きくなり、森になっていく様子を少しでも明らかにしていければ・・・という思いから、これからも調査を続けたいと考えます。
さらに、杭の材料として早めに木を切って、早めに苗木を植えるような「森林・林業のサイクル」の条件などを、県の林業総合センターのアドバイスを受けながら分析を進めたり、林業事業者のみなさんに寄り添って考察してゆければよいと考えます。
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