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~佐久平市民交流ひろばで標準時の歴史を考える~

日時計と今の時間と鉄道と・・・
~佐久平市民交流ひろばで標準時の歴史を考える~

林務課のSです。
佐久平駅の南側に「佐久平 市民交流ひろば」という芝生の公園があります。
近くにショッピングモールがあり、住民の憩いの場となっています。

この公園には日時計が設置されており、また佐久平駅を発着する北陸新幹線をながめることができます。

先日12月のある日、この公園を訪れました。
・・・現在、昼の12時26分です。下りの新幹線が長野方面へ向けて佐久平駅を出発しました。

この時点で日時計を見てみましょう。日時計は、12時50分を指しています。
実際の時間より約20分ほど進んでいることがわかります。

日本国内では東経135度(兵庫県明石市付近)で太陽が真南に来た時間を標準時で12時にしているため、東経135度より東にある地域では、その分太陽は西に進んでしまっている、というわけです。
ちなみに、ひるの12時のことを「正午」といいますが、太陽が真南にくる時刻のことをいいます。(南のことをむかし、十二支の午(うま)の方位と呼んでいました。)

ところで・・・
なぜ各国では、標準時を設定しているのでしょうか。
それにはわけがあります。
そのわけには、イギリスやアメリカで発達した東西に延びる鉄道が大きく影響した、といわれています。
鉄道の登場以前、それぞれの都市は太陽の高さを基準にそれぞれ時間を決めていたため、各都市の時計が示す時間が微妙にちがっていました。このずれは鉄道運行の妨げになり、事故の原因になります。そこで1840年にイギリスの鉄道会社がグリニッジ標準時を採用し、その後、1883年、アメリカの鉄道でも時差を含む4つの地域別の標準時間が導入されたそうです。これによって運航ダイヤが作成しやすくなり、事故も大幅に減ったといわれているそうです。

「佐久平市民交流ひろば」は東西を走る北陸新幹線をのぞむ環境の中に日時計があるので、この公園は、私たちの生活に不可欠な時間について普段から考えることのできる意義のある場所だと思います。
皆さんも一度、この公園を訪れてみてはいかがでしょうか。

そういえば、今年(令和4年・2022年)に亡くなったイギリスのエリザベス二世(エリザベス女王)は、1975年に来日された際、「新幹線は時計より正確だときいています」とおっしゃられたエピソードがあります。
標準時や鉄道の発祥地である国の女王がこんなことをおっしゃられたということは、感慨深いものがあると感じました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

■参考文献(ホームページはいずれも2022年12月14日閲覧)
・田中靖浩『会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカー500年の物語』日本経済新聞出版、2018
標準時(Standard time)、国立天文台ホームページ
グレート・ウエスタン鉄道(イギリスのかつての鉄道会社)(ウィキペディア)
鉄道時間(ウィキペディア)

 

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