「旬」の宅配便~佐久っと通信~ いつでも新鮮! 職員が見つけた佐久地域の「旬」の魅力をお届けします。 どうぞ、さくっと見てください。

「旬」の宅配便~佐久っと通信~

いつでも新鮮! 職員が見つけた佐久地域の「旬」の魅力をお届けします。 どうぞ、さくっと見てください。

しあわせ信州 > 長野県魅力発信ブログ > 「旬」の宅配便~佐久っと通信~ > 創業者インタビュー > ITの力で地域を元気に!「株式会社軽井沢IT経営センター」(軽井沢町)

ITの力で地域を元気に!「株式会社軽井沢IT経営センター」(軽井沢町)

-なるほど。高齢者の方が「朝起きたら喉が痛い」「夜に電話がほしい」等と書いたら、相手の状況を気にせず自分の意志を伝えられるわけですね。

機械に弱い高齢者の方がその日の健康状態を紙に書くだけでよいので、IT機器を使えるか否かは全く関係ありません。自分の両親や親戚が遠くに住んでいてなかなか会いに行けず、仕事等で連絡を取るのも大変だけど毎日の様子は知りたいという方のニーズをうまく満たせると思います。
この記入シートは様々なフォーマットに変えることができます。買い物弱者などへの生活支援に対応したシートなども作成できます。今後はその機能を使い、買い物弱者の方に対してカタログを作り、商品をこのシステムで注文してもらってお届けする買い物サポートも本格的に行っていく予定です。

-高齢者の見守りだけでなく、買い物サポートも“ココカルネット”の仕組みを使ってできるわけですね。どんな仕組みになっているんでしょうか。

“ココカルネット”の利用者が対象ですが、1回500円をお支払いただき、前日までにご注文いただければ翌日に商品の配達が可能です。通常、この金額設定での採算は難しいです。当社は、社会福祉協議会が高齢者の方へ夕方のお弁当を配達する仕事の一部を請け負っており、町内を毎日周回しています。午前中に買い物をして、午後にお弁当を配るルートの中で一緒に商品を配ります。
生活支援のサービスは1つ1つだと採算があわないということもありますが、複合して効率化できれば利用者にとっても安く使えるし、事業者としても採算がとれるものになりますね。

-IT経営コンサルティングとは異なる新たな分野にも精力的に取り組んでいらっしゃるようですが、経営の方向性についてどのようにお考えでしょうか。

業種上、地理的な制約を受ける部分は少ないですが、県外の遠くの地域をターゲットにするよりもなるべく地域内で軽井沢町を活性化させていく事業をしていきたいと考えていました。買い物サポートで購入できる商品はいわゆる大手スーパーのものでなく、個人商店さんの商品であるのも地元の商店を使ってほしいという想いからです。

-会社に約30年勤めた後に起業された経緯について教えてください。

大手精密機器メーカーに就職し、企業支援を行う業務を担当していました。メーカー社員として地方の営業現場に出向くことが多かったですが、中小企業はまだまだITを使いこなせていないと感じる機会が多くありました。自分がITと中小企業の橋渡しをして、中小企業がITを駆使するお手伝いをしたいと感じたのが起業した一番の理由です。
またメーカー社員の立場では、自社商品を売っていくことが基本です。お客様のニーズと自社商品のマッチングが必ずしもうまくいくとは限らず、本当に求められている商品をお客様に提供するにはメーカーの立場から離れなければならないという思いもありました。

-会社員時代にそのような志を持ったわけですね。ただ実際に起業するというのはリスクを伴うものだと感じますが、迷いや不安はなかったでしょうか。

40代半ばから自分で勉強し起業に備えました。50歳の早期退職制度で退職しました、不安は当時も今もあります。ただ、多くの人とかかわって企業を支援したい、人と人を結び付けていきたいという想いを持ち続けているからできているのかなと感じます。普通会社を退職するのは家族の反対がある場合が多いと思いますが、自分自身の思いや、やりたいことを何度も話し合いました。家族の理解と協力を得られたので退職、起業となりました。

-仕事柄、長野県の中小企業と関わりが深いと思いますが、県内の中小企業について「こうすればもっと良くなる!」というアドバイスはありますか。

長野県の中小企業は、ITの利活用の余地が多分にあるように思います。IT活用は社員の仕事がなくなるのではなく社員がよりクリエイティブな仕事へ向けるツールです。経営者の方は、IT活用が事業や利益の拡大、お客様の満足向上につなげる為の投資であるということを理解いただきたい。ITを導入するときには機能や価格だけで判断するのではなく、「売上を上げる」「お客様の満足を上げる」等、なぜITを使うのかという視点を深く掘り下げて考えるとうまくいくと思います。

-高見さんは県外のご出身ですが、長野県の印象を教えてください。

私は山口県下関市の出身で、社会人になってからは東京だけでなく横浜や群馬にも住んだ経験があります。妻の強い要望もあって、起業することを見越して会社員時代に長野に家を建てました。自分自身の経験から、子育ては都会ではなく地方で行いたいと考えていましたので、軽井沢で生活していることには満足しています。
ただ子供の進学の選択肢が都会と比較して少ないと感じます。国内人口が減ってゆく時代に対応できるグローバル人材育成が重要です。将来は農業でも商工業でも国内及び地域での地産地消に頼る時代ではありません。グローバルに対応できるための教育を各地で進めていただきたいと思います。

-最後に、今後の目標を教えてください。

これからは地域貢献の事業をもっと広げて、それを主の事業にしていきたいと考えています。ITという自分の強みを用いて地域に貢献できるということで、地域の方に感謝されるような事業を進めていきたいです。県外から来た者として、それが使命だと思っています。

 

◎あとがき

実際に“ココカルネット”を使わせてもらいましたが、きっと高齢者の方にもストレスなく使ってもらえるのではないかと思いました。遠く離れた家族の声を電話で聞くことはもちろん大切ですが、お互いに生活があると躊躇する部分があるのは自分の家族や親戚を見ても感じるところです。高齢化が進む長野県でも普及が進むであろうサービスだと実感しました。
今回のインタビューでは“ココカルネット”の話を主に聞きましたが、本業の経営相談や経営戦略診断についても精力的に取り組んでいらっしゃいます。特に経営幹部合宿というメニューは経営者の方が宿泊形式で徹底的に議論して、答えを導き出すという珍しい取組みです。今後も、ITの力で佐久地域の会社を元気にしていく高見さんに注目していきたいと思います。

 

1 2 3

このブログのトップへ

このブログや記事に関するお問い合わせ窓口

佐久地域振興局 総務管理課
TEL:0267-63-3131
FAX:0267-63-3105