2014.12.12 [ 自然・観光地 ]
「更新伐(こうしんばつ)」その後の状況は? ~林業豆知識~
以前に「更新伐(こうしんばつ)」とは?というタイトルで更新伐をご紹介しました。
今回は、更新伐を実施したその後どうなっているのか?をご紹介します。
その前に更新伐を実施するときに「更新伐を実施すると山が崩れるのではないか心配?」という声を聞くことがあります。
心配される気持ちもわかりますが、更新伐の実施方法が重要です。
例えば、大規模な更新伐を実施するような場合は、山が崩れる可能性は否定できませんが、小規模な更新伐を点在するように実施すれば問題ありません。
具体的には、事前に更新伐予定地を詳細な地形図(CS立体図)で崩壊地や湧水場所等の情報収集してから、急傾斜地や更新困難地などを現場確認し、問題がある箇所では更新伐を実施していません。また、有用な高木性広葉樹を極力残存するように注意しながら作業を実施しています。
※CS立体図とは、国土交通省DEMデータ、長野県林務部所有データを元に、長野県林業総合センターが独自に作成した、画像データ(JPG)及び位置座標ファイル(JGW)で構成される市町村別の地形図です。
では、本題の更新伐のその後の実例をご紹介します。
以下の写真は、アカマツが松くい虫による被害に遭う前に更新伐により伐採した現場です。
目的は、アカマツ林から高木性の広葉樹林へ転換することです。
上の写真は、更新伐を実施する前の状況です。
※赤い丸が付いた木は、以下の写真でも同じ木です。
上の写真は、更新伐を実施した直後です。
有用な高木性の広葉樹を残して、アカマツを全て伐採しました。
上の写真は、更新伐実施後、約半年後の状況です。
草本類が繁茂しています。
上の写真は、更新伐実施後、約1年後の状況です。
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