2024.08.20 [ イベント安曇野市松本農業農村支援センター ]
3地域合同作物研修会が開催されました!
みなさんこんにちは。
松本農業農村支援センターのAです。8月7日(水曜日)に水稲担い手農家の研修会が安曇野市内で開催されました。
3地域とは佐久、上田、松本地域のことで、県内でも水稲を中心に大豆や麦等の土地利用型作物の生産が盛んな地域です。この研修会は3地域の担い手農家が持ち回りで開催テーマを決め、互いのほ場を視察したり、テーマに関わる講義を聞いたりと、農家自身が主体となり互いの生産技術や経営力強化を目的として毎年開催している研修会です。もう、10年以上続いている歴史のある研修会で、近年はコロナ禍で中断していましたが、昨年から再開されました。
今年度は松本開催❗ということで、安曇野市の安曇野.come(ドットコメ)と松本市の水稲後継者ネットワークの担い手2団体が主催となり、開催しました。テーマは「現場で試す省力化、効率化技術」です。近年、水稲担い手農家は拡大する作付け面積を限られた労力でいかにこなすかが課題となっています。そこで、今年の研修では安曇野.comeのメンバーが取り組む水稲の直播や水管理の自動化、大豆の摘芯栽培等、省力化や効率化の実証に取り組むほ場を巡回しました。その中には最新技術を試験的に導入した事例もあり、現場で試した感想や改善点など本やインターネットからは得られない情報も数多くあり、農家どうしの意見交換が活発に行われていました。
支援センターは担い手農家の支援という立場から主催農家と協力体制をとり、お手伝いしています。
以下、研修会の様子をお伝えします。
【テーマその1:水稲の堪水直播】
水稲の直播栽培は苗を作らなくて済むので、育苗ハウスが不要になったり、収穫時期が移植した場合と比べて遅くなる等、面積拡大に併せて作業分散させるのに有効な手段です。直播栽培は移植と同じく代かきまで終えた田んぼに酸素供給剤等をコーティングした籾を播種する堪水(たんすい)直播が一般的に行われています。今回は最新の種子コーティング技術が採用された種子をドローンと田植え機播種した場合の違いや品種による違いを見学しました。
【テーマその2:水稲の乾田直播】
先ほどの堪水直播と違い、代かきで水を入れる前の乾田の状態で籾を播種するやり方。代かきをやらないので、作業工程を省けるほか、早く播種が可能かつ、収穫時期は移植と比べて遅くなるという特徴があり、作業分散により効果的です。ドットコメのMさんは水稲の作付け面積が拡大する中で育苗や田植えの省力化かつ、稲刈り作業の分散を目的に導入されています。
【テーマその3:水管理の自動化】
管理する田んぼの枚数が多くなると大変なのが水管理…。ドットコメAさんはほ場に水位計を設置し、スマートフォンで遠隔監視できる仕組みを導入しました。さらに、水の取り口に自動給水栓を設置し、ほ場の水位計と連動させて自動で入水または、スマートフォンで遠隔操作できるようにしています。導入コストは課題だそうですが、手元で水位が確認できる安心感が得られ、巡回時間の短縮が実現しました。
【テーマその4:大豆の摘芯栽培】
大豆は昨年の研修会の勉強テーマとなった内容で、高単収を実現し、全国豆類経営改善共励会で農林水産省大臣賞を受賞したドットコメのYさんから講演がありました。
今回の研修会ではYさんが実施している摘芯栽培の様子を実際に見て学ぶという機会になりました。Yさんからは、摘芯栽培は倒伏軽減に有効であることや高単収実現には排水対策や夏場の灌水が重要である点が伝えられました。ほ場の一部を摘芯しない状態で置いておいてもらい、その様子の違いを観察しました。
今回の研修会は総勢50名を超える規模となりましたが、参加者からは「自分の地域でも試してみたい」、「現場でしか分からないポイントが聞けて良かった」等の感想が聞かれ、有意義な研修会となりました。
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