農地整備課のオカエモンです。
松本市波田にある農業用水路「波田堰」で「波田せぎ探検とますつかみ“水辺で遊ぼう!”」というイベントが行われました。(主催は、水路を管理している「波田堰土地改良区」と波田堰を活かした地域づくりに取り組む「波田堰の水辺を活かそう会」です。)
波田堰は、県内有数の観光地“上高地”を水源とする梓川の水を梓川頭首工から取水し、松本市波田の扇状地に広がる農地280haに水を運ぶ全長約9kmの農業用水路です。イベントは、松本電鉄上高地線波田駅隣の松本市立病院の近くで行われました。そこは、市民の憩いの場として波田堰に親しんでもらうために、遊歩道、ビオトープ、あずま屋が主催者の手作りで整備された親水公園になっています。
イベントは10時30分からでしたが、9時ごろになって急に土砂降りの雨が降り出したので、参加者がいつもより少なくなるのではと心配になりましたが、約130人の参加があり、子供達も大勢きてくれました。
主催者のあいさつでイベントは始まりました。けれども、すぐに魚つかみが始まるわけではありません。今日の目的は、先人たちの努力によりつくられた波田堰に関心を持ってもらうことです。
まずは、波田堰のことを知ってもらおうと、農林水産省関東農政局中信平二期農業水利事業所の職員の皆さんが、パネルを使って説明します。波田堰は江戸末期から明治初期の頃に、当時村の庄屋であった波多腰六左(はたこしろくざ)が用水路の建設に力を注いだのが始まりだそうです。参加された方は、説明する職員の足元を泳ぐ、放流されたニジマスやイワナの群が気になりながらも興味深く話を聞いていました。
説明が終わると、次は“探検”と銘打っての“ゴミ拾い”です。参加者には波田堰の中を歩いてゴミを拾ってもらいます。冷たい水の中、ゴミ袋片手に皆さん熱心にゴミを拾ってくれました。土地改良区の方に話を聞くと、水路を管理するのに最も苦労することの1つがゴミの撤去だそうです。参加者が持っていたゴミ袋の中をみると、ビニールや空缶のほか、網戸の網、割れた瓦、プラスチック製の波板、長靴など様々なゴミが拾われました。
中には、水路の壁についている黒い生き物を見つけて喜んでいる子供達がいました。手のひらをよく見ると、昔からの“住民”であるイモリがのっていました。これも“探検”の楽しみの1つです。
最後は、お楽しみのつかみどりタイムです。ニジマス・イワナ約1200匹対人間130人の真剣勝負が行われました。子供は、純粋に“とにかく魚を捕まえたい”という思いで、大人は魚を捕まえた後のこと考えて頭の中で損得勘定しながら? 冷たい水にも負けず様々な思いで魚を目指していました。
たくさん捕まえて、満足げに魚のたくさん入った網やバケツを持ち帰る子供、数は少なくても捕まえることが出来たことを素直に喜んでいる子供、時間ぎりぎりまで魚を追いかけて“もっと捕まえたかった”と悔しがる子供など、今日の体験で感じてくれたことは様々だと思いますが、この子供たちが将来「波田堰」を守り伝える大人になってもらうことを期待しています。
今日のイベントに参加してもらい、波田堰に関心をもってもらうこと、用水に親しむ、楽しむ、思い出をつくってもらうということは十分にできたのではないでしょうか。
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