2024.11.30 [ 松本市文化・伝統松本農業農村支援センター ]
りんご栽培の歴史を感じて
皆さんこんにちは。
農業農村支援センターのカフェイン中毒者です。
農作物の収穫も多くが終盤を迎え、畑も冬に向かって寂しくなってきました。
さて、松本管内は御存知のとおり、県内有数のりんご産地の一つです。
中でも古い産地の一角として松本市梓川~安曇野市三郷地域にかけての梓川の左岸地域のりんご団地があります。
その中のりんご畑に面した道路沿いにこんな石碑があるのが御存知でしょうか。
これは今を遡ることだいぶ昔、まだりんごの栽培といえばマルバカイドウ台木を用いた普通樹が一般的であった頃に、
当時の南安曇郡梓川村では地域を挙げて、M.9インターストック法(中間台木法)を用いたわい化栽培を全国に先駆けて推進。
その功績が認められ、昭和59年には日本農林水産祭において最高の賞である「天皇杯」を受賞したことを記念して昭和60年に建てられた石碑です。
実際に本賞を受賞したのは地域の33戸からなる「梓わい化栽培組合」で、
昭和58年に全国のわい化栽培比率が14%、県下でも21.4%であった時代に、当組合はすでに74%と先進的に技術を導入し、仲間で研究。
講習会等による技術の平準化や、共同防除、共同販売などの体制を確立。
功績としては
・「ふじ」において、栽培技術がさらに発展した現在でも達成が難しい地域の平均反収約5tを達成
・その結果昭和49年から58年の10年間の間で、1戸当たり農業所得を3倍に向上させる
などなど、現在のこの地域だけでなく県下のりんご栽培の礎を作り上げたと言っても過言ではないでしょう。
非常に大きい石碑ですが、意外と気づきにくい石碑でもあります。
周囲のりんごが収穫された今こそ、目に留まりやすいかもしれません。
近くに来られる方はぜひ実物を見ていただき、
近くに来られない方は長野県のりんごを食べながらこんな歴史もあるんだと思いを馳せてみてください。
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