2013.05.09 [ 文化・伝統 ]
旧開智学校、開校から140年を迎える
松本市の旧開智学校が5月6日に開校から140年を迎えるというので、訪ねて来ました。
旧開智学校は、重要文化財にも指定され、旧制小学校では、日本で最も古い小学校の1つです。市立博物館の分館の一つに位置づいていますが、分館の中でも入館者数が一番多いいわば観光スポット。建築文化の面でも、教育施設としても貴重な資料でもあり。 「学都松本」を象徴する施設です。
建物は、和風と洋風を巧みに組み合わせた明治時代の代表的な擬洋風建築で、白を基調とした校舎は目にまぶしい。明治に入って間もない頃、人々は、白亜の広大華麗なモダンな建物に、新時代の幕開けを感じたものと思います。この建物の工事費の7割は、松本町民の寄付によるものだそうです。住民には重い負担がかかりましたが、住民の熱意が140年後の現在まで残る校舎を誕生させたのです。
学校の中は、1階、2階ともに展示室として、学校の歴史経過や机、教材などが展示されている。
下のオルガンは、日本の楽器製造のパイオニアの1つである松本楽器製造所製の松本オルガンです。鍵盤の両脇にある燭台置きには、譜面を見るための蝋燭を立て、火をともしたということです、照明技術が進歩した後は、花などを飾ったようです。
特に、教科書の展示では、戦争当時の扱いが興味深い。兵隊さんや戦機を扱っていた教科書は、戦後になると、皇国教育観が根底から覆され、戦争に関する記述は、すべて黒に塗りつぶされて真っ黒になっていました。
今回は、19日まで企画展の最中。展示物の中でも、明治初期の教材「掛図」9点が展示されている。色図もありました。秋以降にも、企画展が予定されているとのこと。
そのほかにも、明治時代を彷彿とさせるさまざまな展示物が印象に残りました。気分は、明治時代にタイムスリップできます。
(S)
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