2013.07.11 [ 文化・伝統 ]
疾病退散を祈る「島立堀米の裸祭り」
長野県松本合同庁舎がある松本市島立堀米地区。
松本インターチェンジ近く、のどかな田園風景の中に、国・県の現地機関やオフィスビルが並んでいます。近年、急速に都市化が進んでいますが、史跡や民俗行事が数多く、伝統文化が大切に継承されています。
今回はその一つ、7月7日に行われた、長野県無形民俗文化財「島立堀米の裸祭り」をレポートします。
祭りは、250年程前(江戸時代中期)、流行した疫病を払うために始まったといわれています。堀米地区の男子児童がもっこふんどしと鉢巻姿で、地区の氏神である津島社に勢ぞろい。
津島社は、尾張(愛知県)一宮の津島神社から勧請(かんじょう)されたといわれ、厄病除けの神「牛頭天王」(ごずてんのう)をまつっています。
疫病退散、五穀豊穣などを祈った後、幟(のぼり)を持って地区内にくり出します。「親玉」といわれる6年生と5年生が大幟をかつぎ、中幟を持った「中玉」(4年)、「小玉」(1~3年)が続きます。
「小玉」が持つ五色の幟には、「親玉」が筆で「奉献津島牛頭天王」と、そして、名前と干支も書いてあげるそうです。
「親玉」が「オンヤーサー」と声を掛けると、「中玉」と「小玉」が「モンヤーサー」とこたえます。掛け声には、「自分たちはこんなに元気だぞ!厄病なんか寄せ付けないぞ!」との意味がこめられているそうです。
地区境をねり歩いた後、「みそぎ」のため神社横の池に飛び込みます。
全国的にも珍しい、貴重な民俗行事とのことで、大勢のアマチュアカメラマンをはじめ、県外の研究者や東京のテレビ局も取材に訪れていました。
どんな時代にあっても子どもたちは「地域のたから」。
泥んこになりながら水を掛け合う姿に、祭りにこめられた「先人たちの思い」を強く感じました。
いつまでも残したい松本の夏の風景です。
(地域政策課K)
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