皆さんこんにちは!松本農業農村支援センターのピッピです
今回は2日にわたり最近行ってきた場所、挑戦したことをお送りします。
本日1回目は、「萬年屋」さんの味噌蔵見学についてです
5月31日(土)に松本市城東にある「萬年屋」の味噌蔵見学に参加しました。普段は見学できないのですが、「ココブラ信州」のツアーに申込み、貴重な勉強をさせていただきました
創業は天保三年(1832年)で現在6代目となっています。
萬年屋の味噌は、今では珍しい仕込み方で味噌を作っています。

城東2丁目交差点すぐ近くの蔵です。
【味噌玉造り】
その仕込み方というのは「味噌玉造り」。歴史は古く、味噌が日本に伝来した頃からの製法です。
少し前までは一般的で、家庭でも作られていたようですが、今では他はどこにあるのか…?というくらい少なくなってしまったそうです。

風と光が通る、優しい雰囲気のお部屋です。
【歴史】
お米が高級で庶民はなかなか食べることのできなかった江戸時代まで、発酵食品に欠かせない麹を米から作ることは庶民にとって非常に難しかったため、当時は味噌を米は使わずに大豆を使い、天然の菌にじっくりと触れさせて作っていたそうです。
【仕込み方】
味噌󠄀の造り始めは春。春が最適なシーズンです。
なぜかというと、「味噌玉造り」ではまず、煮てつぶした大豆のみをぎゅっとまとめ、空気が流れる部屋で3週間熟成・乾燥させるからです。夏場は腐敗してしまいますし、冬は寒く発酵が進みません。この作業をしている間に、味噌玉に空気中に漂う昔から蔵に住み着く菌がくっつきます。
通常の味噌づくりは煮た大豆、塩、麹を混ぜて熟成し完成します。このとき、麹菌は塩分に耐えられるもののみが生き残ります。ですが、この仕込み方を行うと、さまざまな菌が生きることができるため、特徴のある味が出せるのです!(例えばチーズの菌!)
3週間たって、非常に硬くなった味噌玉を水で洗い流し、細かく砕き、麹・塩・水と混ぜタンクで寝かせます。麹の量は通常米に対して50%必要ですが、この作り方だと元々菌がいるので少なくても良いそうです。これなら米が貴重な時代でもみんなが味噌を食べられますね!!
秋には出来上がり!
【利き味噌󠄀】
今回は4種類の味噌󠄀を試食させていただきました。
☆味噌玉造りで作られたもの
1 豊麗
初めに食べたのがこの味噌󠄀。良い意味でTHE MISOって感じの味じゃない!乳酸菌のような香りがしました。
→白カビチーズの菌がいるそう!大豆に対して同量の麹が入っています。
2 極味
なんだかまろやかな気がしました。こちらも乳酸菌が入っていそうな香り。
→大豆に対して1.5倍の麹が入っているため、旨味と甘味が強いそうです。
☆一般的な仕込み方
3 天醸
美味しいお味噌!という味。食べたことのある感じ。
→一般的な信州味噌。このお味噌をたくさん買って、家で好きなところまで熟成させる通なお客さまがいらっしゃるそうです。
4 長熟
八丁味噌くらい味が濃い!!
→天醸を2年間熟成させたもの。この味噌をベースにして他の味噌を加えると味のバランスが良くなるそうです。
毎日お味噌汁をいただいていても、長野県の味噌屋さんから買うことしかこだわりがありませんでした。
そして、お味噌汁以外には味噌炒めくらいしか作ったことがなかったので、他のレシピを研究しようと思います。
松本地域には他にも味噌屋さんがあるので、いろいろ買って、地元の生産者さんを応援していきたいです!
これからも伝統が引き継がれるといいなと思っています。萬年屋さん、見学させていただきありがとうございました!
(ホームページには詳しい説明があり面白いのでぜひ見てみてくださいね!)
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