2017.07.07 [ 特産品・名産品 ]
「信州の環境にやさしい農産物認証」の現地審査を行いました(トマト)
長野県では、信州の美しい自然環境を保全し、消費者の皆さんに安心して農産物を食べてもらうため、「信州の環境にやさしい農産物認証制度」による農産物の認証に取り組んでいます。
通常栽培と比較して化学肥料と化学農薬を50%以上(または30%以上)削減して栽培された農産物が長野県知事により認証されます。
この制度では、申請された全ての農家を対象として、書類審査だけではなく、現地での審査も行っています。現地審査では、専門の審査員が、栽培履歴やほ場の状態などを確認します。
今回は、6月上旬に行ったトマトの現地審査の様子をお伝えします。
これまでお伝えした、審査の様子はこちら!↓
伺ったのは、松本市波田にある石綿さんのトマトハウス。
下の写真のように、ハウス内にはトマトの苗が整然と並んでおり、この様子からも石綿さんの栽培管理の丁寧さが伝わってきました。
右側の写真をよく見てみてください。苗と苗の間に何か作物が植えられているのが分かるでしょうか。
植えられているのはネギ。トマトが吸収する栄養の量をこのネギで調整しているのだそうです。
「土づくりには5年かかる!」と、松本地域の野菜の審査を担当している藤森審査員。石綿さんも、短い間に様々な土壌改良資材をやみくもに試すのではなく、「1年間サイクルで土づくりの計画を立て、それを何回(何年間)も繰り返す」という考えで、土づくりを行ってきたのだそうです。良い作物を育てるには、長期的な視点、粘り強さが必要だと感じました。
そしてこの日、石綿さんは試食のトマトを用意してくださいました。
この時期のトマトは粉っぽいイメージがあり、私はあまり得意ではないのですが、粉っぽさを全く感じさせない、ギュッと果肉がつまったおいしいトマトがそこにはありました。
更に注目すべきは、この断面です。
ゼリー状の部分とそれ以外の部分とが入り組んでいて、切ってもゼリー部分が流れ出ないトマトを目指してきたとのこと。
栽培方法を工夫するだけでは実現が難しそうですね。なんと石綿さんはオリジナルの品種を育成しているのです!
2001年ごろから育種を始め、現在の品種の確立までには10年以上の歳月を要したそうです。そして、現在もなお理想のトマトを目指して育種を行っています。
最後に、
「天候が毎年変わって大変ですが、それに対応しながら頑張って育てています。」
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