2011.09.01 [■アレ☆これ☆信州]
Vol149■とく☆とく信州 常盤牛蒡(飯山市)
今回は、「信州の伝統野菜」から、長野県の最北部に位置する飯山市に伝わる「常盤牛蒡(ときわごぼう)」をご紹介しましょう。
普通のゴボウより一回り大きくて、長さは1mほど、太さは5~8cmもあるんですよ。
収穫されたばかりの「常盤牛蒡」
「常盤牛蒡」の栽培は、江戸時代の天保年間(1830~1844年)、当時天領であった飯山市の常盤地区に、幕府の役人が江戸滝野川村(現在の東京都北区滝野川)の「赤茎牛蒡」の種子を持ち込み、品種改良を行ったのが始まりとされています。
「常盤牛蒡」は、常盤地区小沼の千曲川周辺で主に栽培されている。
明治時代には地域の特産品として栽培が奨励され、大正時代には鉄道(現在のJR飯山線)の開通により販路が拡大し、盛んに作付けが行われました。その太さと食感が人気で、遠く大阪方面や九州方面にも出荷していたそうですよ。
深い溝を掘って収穫する。
ところが、40年ほど前に“連作障害”が発生。多くの農家がアスパラガスの栽培に切り替え、農業後継者不足や安価な外国産ゴボウの輸入拡大などの要因も重なり、「常盤牛蒡」を栽培する農家はとても少なくなってしまいました。
それでも栽培農家の方々の熱心な取り組みによって脈々と生産は続けられ、“連作障害”の危機も乗り越えて、平成21年には「信州の伝統野菜」の認定を受けることとなったのでした。
「常盤牛蒡」は、アクが少なく、短時間のアク抜きで調理に使えるのが利点。キンピラ、煮物、炊き込みご飯などにして食べると、とっても美味しいですよ♪
ただ、地元消費が主で、他の地域にはあまり流通していないので、飯山にお越しの際には、常盤地区にある道の駅「花の駅 千曲川」の農産物直売所やAコープみゆき店で、ぜひお買い求めくださいね。
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