2013.08.08 [■I ♥信州(あいラブしんしゅう)]
<VOL.235>I♥信州(あいラブしんしゅう)
清らかな水は“いのち”の源(1)
「I♥信州」は、長野県外から信州へ移住された方に、移住のきっかけや信州での暮らしの様子をお伺いし、長野県の魅力をさらに伝えていこうというコーナーです。
二川泰明さん・文香さんご夫妻
第14回目のI♥信州は、2013年3月に東京の多摩ニュータウンから下伊那郡阿智村・清内路地区に移住された二川泰明さん・文香さんご夫妻にお話をお聞きしました。
二川さんご夫妻は、手作りの天然酵母でつくったパンを阿智村・清内路にある村営施設「清内路健康の森」や昼神温泉朝市で販売しています。
長野県歌「信濃の国」でも歌われる天竜川の源流の一つ、清内路川のせせらぎと初夏のセミの鳴き声が聞こえる、阿智村役場清内路振興室(旧清内路村役場 )で、移住されるまでの経緯などお話をお聞きしました。
■安心な食と安全な子育て環境を求めて
小学校・中学校と幼馴染の関係だった二川さんご夫妻。
文香さんのご両親が、東京都渋谷区にある劇場を経営していたこともあり、劇場の運営にも携わっていました。
泰明さんは支配人として、文香さんは舞台美術に衣装、文香さんの妹さんは役者として…と、まさに演劇一家だった二川さん。劇場が駅前に立地していることや、キャパシティの手ごろさから、多くの公演が行われ、忙しくも充実した日々を過ごされていました。
今から5年ほど前、二川さんご夫妻はお子さんが生まれたことをきっかけに「食の安全」を考えるようになり、小さな畑を借りて、自分たちで野菜をつくったり、添加物について勉強して「食」についてみんなで考えたりする「おすそわけねっとわーく」をたちあげ、その中で仲間たちと一緒にパンづくりを学びました。
多摩ニュータウンは、都市部の中でも緑が多く、文香さんのご両親も一緒に住んでいたため、子育て環境としても際立った不安はありませんでしたが、そこへ影を落としたのが2011年3月11日に起こった東日本大震災。
多摩ニュータウンは団地などの集合住宅が多く、田畑を持つ方もほとんどいない、自給率がゼロに近い街。
さらには原発事故によって市販された水しか飲むことができないという環境が一変したことに、二川さんご夫妻は危機感を覚えました。
二川さんご夫妻の友人の中でも、お子さんの体調が優れないといって他県へ移住をされた方が増え、通っていた保育園からも水の持参を求められる異常事態…。
「こんな状態では、子供たちを守りきれない」。
そう考えた二川さんご夫妻は、移住を考え、移住先を探し求める日々が始まったのです。
■南信州、阿智村・清内路で触れた美味しい水とあたたかい人
地震の発生が少なく、原発からも離れているところ・・・ということで初めに訪れたのは岡山県でした。
以降、兵庫県や、長野県内でも小谷村など様々な土地を訪れた中、二川さんご夫妻の心に触れた土地が、この阿智村でした。
阿智村役場清内路振興室の櫻井さんと
二川さんご夫妻。
櫻井さんはお二人の移住コーディネーター
として今も頻繁に情報交換を行いご夫妻を
サポートしています。
泰明さん:「いろんなところを見て回ったんですが、関西方面は自分たちのペースとちょっと合わないなと感じていました。阿智村を訪れたのは、劇場の仕事を通じて知り合った方が喬木村出身で、そういえば南信州は行ったことがないなぁと。
はじめはちょっと見てみるかぐらいの軽い気持ちでしたが、阿智村のこの清内路には美しい自然や美味しいお水があって、その上、役場の方もとても親身になって移住の相談にのってくださったんです。
阿智村の良いところも悪いところも、歯に衣着せず、すべて説明していただいて、空き家の見学も真剣になって動いてくださったので、とても安心感がありました。」
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