木曽地方事務所 環境課 M.K. です。
今日は「柿其水路橋と読書発電所」を紹介します。
木曽福島から木曽川沿いに、下流に向けて車を走らせると、いくつもの水力発電所を見ることができます。よく見ると、その中にはレトロな建物があります。これらは大正時代に、福沢桃介(え!知らない?)が建設を手掛けた発電所群です。その中に、今回紹介する、重要文化財で近代化産業遺産の、「柿其水路橋と読書発電所」があります。
私たちは、今回、大桑野尻の小水力発電所を見学に行ったのですが、関西電力㈱木曽電力システムセンターさんのご厚意で、この「柿其水路橋と読書発電所」も見学させていただけることになり、じっくりと見学することができました。
【柿其水路橋】
JR十二兼駅の南で木曽川を渡り、柿其渓谷の入り口に差しかかると、道路を跨ぐように水路橋があります。「柿其水路橋」です。読書発電所の1~3号機のために、読書ダムで取水した毎秒45トンの水を送っています。何と、90歳以上!。未だに現役です。
【読書発電所】
南木曽から田立に向かって国道19号線を進み、JRの線路をくぐると、右側の山(木曽側の対岸)に、鉄の導水管と古い発電所の建物が見えてきます。読書発電所です。
1~3号機が大正12年12月に発電を開始した発電所で、斜面に伸びる3本の鉄管は、柿其水路橋を通って送られてきた水を、それぞれ毎秒15トンずつ発電機へと送っています。
これらも、重要文化財で近代化産業遺産。(そして90歳以上)こんな太い鉄管を、どこで作って、どうやって運んできたのかが疑問で、ご案内いただいた関西電力の本間さんにお伺いしましたところ、部品で持ってきて、ここで「リベット止め」していたとのことでした。(今は、このリベット止めの技術もほとんど消えてしまったということでした。)
もっと驚いたのは、今はトンネル区間なっていますが、発電所建設時、中央線は川沿いを走り、発電所建設現場近くに荷降ろし場もあったということで、その跡も残っているとのことでした。
また、導水管の上、水槽部の近くには、下からはよく見えませんが、発電所建設を支援してくれた明治の元老「山縣有朋」の顕彰碑もあるそうです。(坂を数百メートル登らなければいけませんので、諦めました。)
そして、大正モダンの発電所建物。90年以上前とは思えないデザインと余裕を持った発電所です。内部の事務所には、重要文化財指定書と近代化産業遺産認定書が飾られていました。
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