2012.01.23 [ 味・食文化 ]
古くて新しい木曽菜漬け
信州の食卓に欠かせない漬物。
全国に知られているのは「野沢菜漬け」ですが、県内各地には、その土地ならではの味わい深い漬物が数多くあります。
木曽地域の漬物といえば、赤カブを原料とした「すんき漬け」や「赤カブ漬け」を思い浮かべますが、今回は木曽菜の漬物を紹介しましょう。
木曽菜とは・・・?
野沢菜のような漬け菜は、アブラナ科の野菜でありカブの仲間です。
こうした漬け菜類には、特色ある地域野菜として各地で大切に護られてきたものが多くあり、長野県でも「信州の伝統野菜」として7種類の漬け菜が選定されています。
近頃は、野沢菜が県内外で広く作られるようになっており、地域野菜の生産も以前よりは少なくなっていますが、家庭の味の漬物にはこうした伝統野菜が欠かせません。
この木曽地域で作られている伝統的な漬け菜が「木曽菜」なのです!
町の歴史とともに
木曽菜の由来を紐解いてみると、時代とともに名称が異なっていることがわかります。
今でこそ木曽という地域名を冠した野菜となっていますが、もともとは現在の木曽町福島地区、かつての木曽福島町中心に栽培されていた漬け菜です。
木曽菜という呼び方は昭和42年に福島町と新開村が合併して木曽福島町が誕生した頃からとか・・・。それ以前は福島町原産の「福島菜」と呼ばれており、さらに時代を遡ると、明治7年に福島村と合併した岩郷村の名をとって「岩郷菜」と呼ばれていたようです。
現在販売されている種子には「板敷野菜」と呼ばれているものもあります。
いずれにせよ、栽培している土地の名で呼ばれて、親しまれてきたのでしょうね。
木曽の菜~を特産品に・・・・
「木曽菜」の中にもいくつかの系統があるようですが、特徴としては、野沢菜と比べて草丈が短く、株が横に広がり易い性質を持っています。
また、茎の部分(随の部分)が太くて平らで、全体的に丸みを帯びた刻みの少ない葉が根元から付いています。
野沢菜など他の漬け菜と比べて、葉の質が軟らかいのも特徴で、漬物ではその軟らかい歯触りが好まれています。またカラシナのような独特の風味も感じられます。
まさに木曽の菜といえるこの「木曽菜」に目をつけたのが、木曽路にある「道の駅」の駅長さんたちです。
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