2014.09.06 [ 自然・山・花 ]
稔り間近の秋に 【井月さんのこころ76】
「乞食井月と呼ばれ、極めて一部少数の俳諧好みを除いては、全く無名といっていいほどの存在であった俳人井月が、始めて世に出たのには、大正十年十月、故下島五山の蒐集した発句一,○二九句を、実兄下島空谷が出版した「井月の句集」によってである。井月が明治二十年二月十六日伊那郡美篶村太田窪において歿してより三十有四年の歳月を経たあとである。……」
昭和5年に『漂泊の俳人井月全集』(下島勲・高津才次郎編)の初版が刊行されて、その改訂版(第2版)は、故・宮脇昌三氏の監修の下に春日愚良子先生が尽力されて、昭和49年に発刊されたとのことです。
そして、最新の『漂泊俳人井月全集』は、竹入弘元先生が尽力されて、新たに発見された新句、連句、和歌、雑文、菊詠集(序)などを加えて、井上井月顕彰会から今春「増補改訂版第5版」として刊行されています。こちら
http://www.seigetsu.org/index.php?f=&ci=13436&i=26941
http://blog.livedoor.jp/inoueseigetsu/archives/51913102.html
「二百十日(台風の要注意日)」と「翁の日(時雨忌)」の晴天下に、同じ「明日知らぬ」と詠んでいる井月さんです。稔り間近の秋日和や冬の小春日和に、季節の移ろいを感じながらも「明日は時雨れるかも」と心配しつつ。
時雨れるを慮(おもんばか)るか酒中叟 青巒
「春日愚良子句集」から
秋霖雨蛙は秋を知つてるか 愚良子
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