2014.05.11 [ 歴史・祭・暮らし ]
春の川辺に【井月さんのこころ60】
井月さんのこころ シリーズ その60
桜も散り終わって葉桜になりましたが、八重桜や山桜は今を盛りと咲いています。
昨春は、果樹が遅霜の被害にあって大変でしたが、今年は順調のようです。
箕輪町の果樹園から西駒を見渡すと、梨も林檎も花盛り。
さて、伊那谷に最初の鉄道が開通して百年余り、今年は駒ケ根市内の4駅が開業百年を迎えます。「駒ヶ根市の鉄道100年地域活性化事業実行委員会」の皆さんがイベント列車の運行など盛りだくさんの企画のよる地域活性化の取組を計画しており、県でも地域発元気づくり支援金で応援することとしております。
鉄道が開通する以前の伊那谷では、天竜川に帆船を浮かべて荷物を運んでいたようです。また、天竜川の東西も大きな橋ができるまでは渡し舟が渡河の手段であったようです。ということで、今日のお題は「舟」です。
そんな長閑な春の景色を井月さんが詠んでいます。
春風にまつ間程なき白帆哉 井月
この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
天竜川を挟んだ伊那市の東西春近、宮田三村の良い景色を詠んだ「八景の句」の一句。「沢渡帰帆」と詞書あり。天竜川の通船で、鉄道開通以前は入船飯田間を盛んに往復した。春風を受けてスピードを増した白帆がなんとも爽やか。一九九一年新設の春近大橋の西南の親柱に刻まれた。因に、西北の親柱には「礎は亀よはしらは鶴の脛 井月」が刻まれている。
(春風・春)
そして、
暮れ遅き鐘のひびきや村渡し 井月
この句についても、竹入弘元氏の評釈を引用させていただくと・・・、
「光久寺晩鐘」の詞書があり、八景の句の一句。春、日の暮れが遅い。東方の丘の光久寺の鐘が漸く日暮れを告げて余韻を長く引いている。天竜川を渡し舟が横切る。フランスの画家ミレー(一八一四~七五)の落穂拾い・晩鐘・種まく人などに通ずる静かな平和な農村の姿。春近大橋の東南の親柱に刻まれている。東北の親柱の句は「降りかくす麓や雪の暮さかひ 井月」
(暮遅し・春)
各種団体等の新年度の総会開催が続いています。
商工関係団体もそのすべてに出席することは叶わないのですが、4月24日(木)には、宮田村商工会の総会と駒ケ根商工会議所新入社員激励会へ出席させていただきました。
5月2日(金)には、上伊那森林組合の総代会が開催され、祝辞を述べさせていただく機会がありました。祝辞要旨は稿末のとおりです。
9日(金)、内閣参与で長野県政参与でもある飯島勲氏の「政局を語る」講演会が伊那文化会館で開催されました。
飯島氏が伊那市のふるさと大使に就任したことを記念して企画された講演会です。
この稿の初2句の評釈にも登場した「春近大橋」の新設に当たっては、飯島氏の御尽力が大きかったとお聞きしております。
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