2014.05.24 [ 食・農・旅 ]
玉苗植うる頃【井月さんのこころ62】
井月さんのこころ シリーズ その62
先週の続きで、唱歌「夏は来ぬ」です。
卯(う)の花の、匂う垣根に 時鳥(ほととぎす)、早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす、夏は来ぬ
さみだれの、そそぐ山田に 早乙女が、裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる、夏は来ぬ
さて、一番の歌詞に出てきた「時鳥(ほととぎす)」の鳴き声をご存知ですか。
その昔、叔父さんたちから聞いた話です。
農家で育った叔父さんたちが子供の頃、家畜に与える芝刈り(草刈り)の仕事を言いつけられ、一人六把づつ芝刈りをして家に持ち帰ることが子供たちに与えられたノルマであったとのことであります。
山裾の畑で芝刈りの仕事をしていると、近くの山で時鳥(ほととぎす)が鳴いています。
「ろっぱかったか、ろっぱかったか、かっちゃただか。」
「六把刈ったか?六把刈ったか?刈っちゃただか?」と聞こえるのだと。
「てっぺんかけたか(天辺欠けたか)」
「とうきょうとっきょきゃかきょく(東京特許許可局)」
などなど、いろんな聞こえ方があるようですが、
自分も子供の頃、家で乳牛を1~2頭飼っており、草刈りや青モロコシ刈りを手伝わされた辛い経験がありますから、今もって時鳥(ほととぎす)の鳴き声は、
「六把刈ったか?六把刈ったか?刈っちゃただか?」と聞こえてしまうのです。
辛いといえば、二番の歌詞に出てきた「田植え」も辛い仕事でしたね。
特に、雨降りに凍えながら腰びくに重い苗を入れて腰を曲げて植える田植えは・・・。
水も濁って枠で付けた植え代が見えなくて苦労したものでした。
写真は、一昨年、伊那小学校の皆さんとの懐かしい手植えのお田植えです。
井月さんも詠んでいます。
玉苗や乙女が脛の美しき 井月
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