2014.08.30 [ 歴史・祭・暮らし ]
秋を感じる頃 【井月さんのこころ75】
神社の右手前には茅葺の前屋があり、その屋根裏に「修羅(しゅら)」が保存されていました。今から30年前、昭和59年(甲子歳)の「甲子搭」を建立するための石材を運ぶのに用いられたもののようです。人力で曳航して石碑を建立した時代の記念物です。
甲子搭は、十干十二支の最初である甲子(きのえね)の晩に、大黒天を祀り、豊作や商売繁盛を願う民間信仰に基づく石碑で60年毎「甲子歳」に石碑を建立します。ちなみに今年は十干十二支の折り返し「甲午(きのえうま)歳」ですね。
そういえば、平戸藩主・松浦静山著「甲子夜話(かっしやわ)」にでてくる信長・秀吉・家康の3武将の性格を比較した「ほととぎす」の説話を紹介したのは、夏の初めのことでしたね。
ほととぎす鳴く頃【井月さんのこころ61】
https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/life/29.html
ここ御射山神社の右奥には「天満宮」が祀られており、学問の神様「菅原道真公」の和歌が刻まれた、これまた立派な石碑が建てられています。
東風(こち)吹かば匂(にほ)ひおこせよ梅の花主(あるじ)なしとて春な忘れそ
道真公
新たな井月さんの句碑は、神社左奥に建立されていました。
刻まれているのは、二句。
山桜古城の跡のあらしかな 井月
霞むべき山は放れて夏木立 井月
井上井月顕彰会の会長であり蟻塚城跡保存会の会長でもある堀内功氏の篤志で建立されたものとのことであり、碑陰記は竹入弘元先生が執筆したものとのことです。
最上段の本郭(一の郭)跡には、石碑と東屋などが整備され、中央アルプスから連なる西の山並みをバックにその前に開けた伊那谷が一望できる絶景のビューポイントです。
さて、今週末は「第2回千両千両 井月さんまつり」が開催されています。
http://www.inacity.jp/view.rbz?nd=1227&of=2&ik=1&pnp=44&pnp=1227&cd=15813
穂屋祭も終わり、刈り残された芒の穂が風に靡いています。
いにしえの馬の尾筒か出穂尾花 青巒
秋の長雨を「秋霖(しゅうりん)」といいます。「芒梅雨(すすきつゆ)」とも呼ぶのだそうですが、降り過ぎは困りものです。
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