2012.08.30 [ 歴史・祭・暮らし ]
歴女仏女必見!上伊那の宝 守屋貞治の石仏
税務課のIです。
私が上伊那を訪れる皆さんに見ていただきたいのが、伊那高遠の名工 守屋貞治(もりやさだじ)の石仏です(私も古本屋の写真集でお会いしてから二十年来のファンです)。
江戸城築城や品川浦砲台(現在のお台場)石垣等で天下にその名を知られた高遠石工、その最高峰と言われているのが貞治さん(尊敬と親愛をこめて!)です。江戸後期の方で、信州内外の寺や家々の求めに応じ、68年の生涯にわたって、336体(本人記録)の石仏を遺されました。その特徴は、多くの方が一目見て「他の石仏と違う 貞治仏だ!」と認める、端正、優美なお顔、お姿、そして存在感です。
先日、上伊那地域にある貞治仏の代表作を、改めて巡り撮影してきましたので、以下ご覧ください。
伊那高遠の建福寺の「願王地蔵尊」
貞治さんの代表作といわれる
建福寺西国三十三所観音像
高遠桂泉院の聖観世音菩薩像
高遠町常盤橋たもとに祀られる大聖不動明王(三峰川の災難防除を祈願して建立された水切り不動)
貞治の最高傑作といわれる
准胝観世音菩薩像(駒ヶ根市東伊那 善福寺)
巨石の上に安置されています
貞治仏で唯一の阿弥陀如来像(駒ヶ根市赤穂 光前寺)
苔に覆われていました
延命地蔵菩薩(駒ヶ根市東伊那 大蔵寺)
住職(故人)の娘さんの話では、子どもの頃から、左手の宝珠に触れば健康になるという言い伝えがあったとのこと
スベスベする桃の実のような宝珠にしっかり触らせていただきました
法界寺の地蔵大菩薩(箕輪町木下)
大きな地蔵様なので、夕陽を背景に生きている人のように見えました
長松寺の延命地蔵大菩薩(箕輪町長岡)
全村あげて造立した記録の残る地蔵尊だそうです
信州高遠美術館や伊那市立図書館には複製の像が置かれています
(写真は、信州高遠美術館の像)
貞治さんの作品は、上伊那では上記の建福寺始め、個人所蔵含めて約100体が確認されている他、諏訪(温泉寺三十三所観音ほか)、木曽(林昌寺 長泉寺ほか)、山梨(海岸寺に108体ほか)など関東、中部、兵庫、遠くは山口にまで及んでいます。野ざらしの露仏も多いとのことです。
平成16年(2004年)には高遠町教育委員会主催で「高遠石工シンポジウム」が開催され、進徳館と並ぶ遺産として情報発信がされています。上伊那のお宝として、いつまでも大事にしたいものです。
貞治仏を上伊那のシンボル、観光大使に、なんて夢でしょうか!?
<各寺の場所>
建福寺
桂泉院
善福寺
光前寺
大蔵寺
法界寺
長松寺
温泉寺
林昌寺
長泉寺
海岸寺
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