2013.03.22 [ 歴史・祭・暮らし ]
地域の元気創造中!-南アルプスユネスコエコパークフォーラム-
みなさんこんにちは、地域政策課の旅人Mです。
今回は、地域発元気づくり支援金を活用して開催された、「南アルプスユネスコエコパークinながの」の様子をご紹介したいと思います。
ところで、「ユネスコエコパーク」ってなんでしょうか?
これは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が定める基準であり、正式には「生物圏保存地域(Bioshere Reserve)」と言いますが、一般には「ユネスコエコパーク」と呼ばれています。これは、みなさんも一度は聞いたことのあるであろう「世界自然遺産」が(指定による現実とはちょっと違って)自然環境の保護に重点を置いた仕組みなのに対し、「ユネスコエコパーク」は、手つかずの自然を絶対視せず、自然と人間の共生を目指すプログラムになっています。現在、日本では山ノ内町の志賀高原など5か所が登録されており、南アルプスも登録を目指しているのです。
当日は、横浜国立大学准教授の酒井暁子さんによるユネスコエコパークの制度概要と活用事例を、長野県出身で静岡大学特任教授の増沢武弘さんが南アルプスの魅力について講演をしていただきました。
酒井先生によると、ユネスコエコパークは自然と人間の生活や文化との共生により、多様性の確保と地域の活性化を図っていくもの、とのことでした。活用事例としてドイツのレーン地方の、栽培しているリンゴの多様性を保存しつつ、加工業者とタイアップして地域の特産品を作っていく取り組みを紹介していただき、この仕組みを維持していくための意識と組織の重要性についてもご説明いただきました。
続いて、増沢先生に南アルプスの魅力をご紹介いただきました。それによると、南アルプスには北極圏と似たような植生を持ち、氷河地形や高山植物、ハイマツといったものの南限にあたるのだとか。また、南アルプスへのアプローチの難しさもあって、研究がなかなか進んでいない地域でもあり、今後も大きな発見が期待できるそうです。
お二人の話を通じて、南アルプスの貴重な自然と谷筋にそってある人の営みとそこに根付いた文化がうまく組み合わされば、とても素晴らしい「ユネスコエコパーク」になるんじゃないかな、と思った旅人Mなのでした。
そのほか、南アルプスジオパークガイドの北原さんによるバーチャルツアーや伊那市の木を活用した取組みの紹介がありました。南アルプスのジオガイド、暖かくなったら是非現地で聞いてみたいと思いました。
このブログへの取材依頼や情報提供、ご意見・ご要望はこちら
上伊那地域振興局 総務管理課
TEL:0265-76-6800
FAX:0265-76-6804