2015.09.19 [ 自然・山・花 ]
ほおずきふくらかに 【井月さんのこころ132】
井月さんのこころ シリーズ その132
今週の一枚は、鬼灯(ほおずき)です。井月さんの句で後ほど登場します。
12日(土)午後1時半から「分杭峠気場発見20周年記念シンポジウム」が伊那市長谷気の里ヘルスセンター栃の木で開催され、出席させていただきました。
開会セレモニーに引き続いて、第一部では世界中のパワースポットを巡られた国際ジャーナリスト中丸薫氏による基調講演、第二部は「分杭峠の効能と奇跡…そして未来へ」のパネルディスカッションがありました。
パネルディスカッションでは、元三峰川総合開発事務所長の宮本高行氏をコーディネーターに、生きている地球の見えないパワーが集まっているところ「大地のツボ」である分杭峠を地域振興に活かすヒントが語り合われました。
パネラーの三上丈晴氏(学研 月刊雑誌ムー編集長)は、目に見えないパワースポットの活用方法として様々な分野のアーティストの「創作活動の聖地」にすることを提案されました。同じく、吉村豊氏(中央大学教授で同元水泳部監督)は、オリンピック選手の合宿に分杭峠の気場が役立った経験を語り、スポーツウェルネスをベースに生きがいの創造も実現する取組み「ヒューマンウェルネスの場」にすることを提案されました。
同じくプラセンタ療法のパイオニアである吉田健太郎氏(吉田内科クリニック院長)は、生命の不思議さを説かれました。人間の生命が誕生するには3億個の精子の中から1個だけが受精に成功するのであるが、かつては一番最初に卵子に到達した精子が受精するものと考えられていた。最近の研究では、受精の瞬間に少なくとも4千個の精子が力を合わせて卵子の壁を破らないと1匹の受精には成功しないのだという。更に、小さな一個の受精卵を200種類60兆個の細胞に進化させる細胞分裂の驚異的な働きをプラセンタが持つのだという。吉田先生は、名古屋大学文学部史学科(地理)を卒業、本人曰くフリーターを経験してのち、千葉大学医学部に再入学されて医者になられたという異色の経歴の方で、東京渋谷で開業しながら健康の要は「食」にあるとして長野県で半農半医を実践されている「三分の一信州人」であるとのことです。時間の制約もあり、地理学にも造詣が深い先生の分杭峠の解説を聴けずじまいであったことが残念でした。
吉田健太郎先生は、お話の中でIPS細胞やDNAについても触れられていましたが、遡回その55で「NHKスペシャル・人体・ミクロの大冒険」について紹介した際に、人体60兆個の細胞のうち神経細胞について細胞分裂を強制的に止める物質の存在について解説があり、ノーベル生理学・医学賞受賞、京都大学教授の山中伸弥さんのコメントを紹介しました。 「努力は報われる。細胞の社会では、どんな経験も無駄にはならない。」「働きかければ必ず応えてくれる。細胞は裏切らない。」 と。蓋をされたDNAを活性化させるというプラセンタ、生命科学の奥の深さを改めて感じました。
2014年4月5日 生き物の不思議さに【井月さんのこころ55】
ともあれ、毎年数万人のお客さんが訪れる「ゼロ磁場として有名になった分杭峠」の楽しみ方について、今年5月にガイドブックにまとめて刊行された宮本高行氏の労作『世紀のパワースポット分杭峠を100倍楽しむ本』では、様々な角度から分杭峠の魅力を解いておられ、大変に参考になりました。
分杭峠の「分杭」の謂れについては、先月こちらの記事で伊那建設事務所のK主事が紹介してくれました。栄転おめでとう。2017.08.17 高遠藩ってどこまで?~「分杭」を訪ねる~
ほおずきの赤さも増し、秋が深まっていきます。井月さんが詠んでいます。この句は遡回その23にも登場しました。
色白や鬼灯はさむ耳のたぶ 井月
以下、この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
色白な少女がほおずきを耳にはさんだ姿。焦点を耳たぶに当て、透き通るような肌の少女を描く。ほおずきは、古くから、人々に愛されたとみえて、平安時代の『源氏物語』野分の巻に、「いとをかしき、色あひ・つらつきなり。ほをつきなどいふめるように、ふくらかにて」とあり、美しい顔つきをほおずき(ほをつき)の丸いふっくらした印象にだぶらせている。
(鬼灯・秋)
ほおずきや子にしかめやも珠も玉も 青巒
六十兆個に余る不可思議 朴翆
ほおずきのふくらかにあれ透かす皮 青巒
百垓阿頼耶掛け合わせ壱 朴翆
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