2016.01.09 [ 歴史・祭・暮らし ]
達磨の教えに 【井月さんのこころ148】
さて、廓然の青空が広がる穏やかな三ケ日が過ぎゆき、移動知事室の準備で「稲積む間もなく」慌ただしかった昨年の正月休みに比べれば、少し余裕が感じられる新年のスタートとなりました。
そんな穏やかな正月を井月さんが詠んでいます。
稲積むや鶯の餌を摺りながら 井月
以下、この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
稲積むは、正月に用いた「いぬ(寝る)」の忌み詞。逆に起く(起きる)は稲挙ぐ。江戸時代には鶯を飼うことが盛んであった。雛に、鳴き音のよい鶯の声を聞かせて育てると、よく鳴くようになる。
正月の穏やかな日差しに鶯に与える餌を摺りながらついうとうとと眠りそうになるという句意。
(稲積む・新年)
無功徳を積み重ねたる年始め 青巒
凡夫の忘己(もうこ)自然(じねん)の佛 朴翆
還暦やおあとは利他の枯れ柳 青巒
今週の結びは、愚良子先生のこの句です。
「春日愚良子句集」から
はらわたの紆余曲折を雑煮かな 愚良子
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