2015.08.15 [ 歴史・祭・暮らし ]
戦後七十年の夏に 【井月さんのこころ127】
井月さんが詠んでいます。
浴衣地によき朝顔の絞りかな 井月
以下、この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
仕立て上がった浴衣ではなく、大きな模様に絞り染めした浴衣地の反物を見ている。紺染めの朝顔の模様も季節に相応しいが、総じて浴衣は湿気の多い日本の夏によく合っていて寛いだ時の衣服の傑作。
浴衣の作句例は江戸時代にも多いが、浴衣姿に夏らしい美しさを見出して詠むのは近代になってだという。地の絞りに注目している井月。
(浴衣・夏)
夏の全国高校野球大会は、広島平和記念日の6日(木)開幕し、長野県代表の上田西高校は、初日第3試合で2年生エース草海が宮崎日大高校(宮崎)を6安打無四球で完封し3-0で見事甲子園初勝利を収めました。その後、上田西高校は12日(水)第3試合で作新学院高校(栃木)と対戦し、粘り強く戦いましたが6-10で敗れ去りました。長崎原爆の日の9日(日)甲子園初出場の創成館高校(長崎)は、甲子園常連の天理高校(奈良)を4番鷲崎の9回2死三塁からの右前サヨナラ打で3-2で下し劇的な初勝利を収めました。
広島・長崎への原子爆弾投下による先の大戦の終結から70年の月日が流れました。今日15日は「戦没者を追悼し平和を祈念する日」です。
平和をば永久に誓えや原爆忌 青巒
日航ジャンボ機墜落事故から30年を迎えた12日(水)、群馬県上野村「御巣鷹の尾根」では追悼慰霊式が行われ、墜落時刻の午後6時56分に犠牲者の数と同じ520本のろうそくに火が点され黙祷が行われたとのことです。
七十二候の「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」は8月12日頃、カナカナ…と甲高くひぐらしが鳴き始める頃。迎え盆の13日には、1月に亡くなった同姓の兄・醇厚輝英清居士、6月に亡くなった叔母・英芳妙春大姉、先月亡くなった従兄・諒道洞觀居士の新盆見舞いに香を点てに行ってきました。
カナカナカナ…と逝く夏を惜しみ、
魂棚に呼びても癒えぬ名はいくつ 青巒
今週の結びは、愚良子先生のこの句です。
「春日愚良子句集」から
残暑きびし人名多くを忘れたり 愚良子
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