い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

しあわせ信州 > 長野県魅力発信ブログ > い~な 上伊那 > 歴史・祭・暮らし > 五色の短冊に 【井月さんのこころ126】

五色の短冊に 【井月さんのこころ126】

   筆(ふみて)採る天民竹や蝉時雨  青巒

      墨の滲みに透くたなごころ  朴翆

   夕顔や挽かれて白き無垢の帯  青巒

      干されるまでに晒す庭先  朴翆

   禅という一文字書きて果てる夏  青巒

  5日(水)は、土用の二の丑でした。地域政策課親和会の暑気払いが高遠湖に臨む高遠さくらホテルの湖畔ビアガーデンでありました。夏バテを解消できる美味しい御料理をたくさんいただき、ご馳走さまでした。 お盆が近づいてきましたが、お盆には肉や魚を絶って、夕顔の刺身や汁でご先祖様をお迎えします。有名な句があります。

   盆ごころ夕がほ汁に定まれり   暁台

DSC_2107

 加藤暁台(かとうきょうたい1732~92)は、与謝蕪村などと親交があった江戸中期の俳人で別姓、久村 (くむら) 。名は周挙。別号、暮雨巷 (ぼうこう) 。尾張藩の武士から俳諧師となり、芭蕉百回忌の追善俳諧を興行するなど、蕉風復古を志し、優艶な句を詠んでいます。井月さんより一世紀前を生きた俳諧師です。

  井月さんも詠んでいます。

   盆ごころ祭りごころや麻地酒   井月

 以下、この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
 麻地酒は、寒中に仕込んで土中に埋めておいた酒で夏の土用に飲む。詞書「吉扇亭の饗応に預り、古人五平老をおもひ出して」があり、東春近の飯島吉扇、本名吉之丞の家でご馳走になり、今はなき同家の父君を偲ぶ。麻地酒を手にすると、盆・祭に特に麻地酒を振舞ってくれた父君を懐かしく思い出す。

 麻地酒は九州産で本物は伊那にはないだろう。洒落。

   (麻地酒・夏)

 吉扇亭は、こちらにも登場しました。

 2013年5月25日 花王咲き誇る頃【井月さんのこころ11】

 7月29日から続けられてきた御嶽山の噴火災害による行方不明者の再捜索は、6日をもって終結されることになりました。この9日間、県警と県内消防などの捜索隊が一日102人、後方支援も含め延べ約5千人の体制で懸命な再捜索が行われたものの、発見されたのは岐阜県の捜索隊による1名のみで、残る5名の方の行方がわからないままとなっています。御家族の皆さんの気持ちを察すれば無念であろうと思われますが、火山活動が続き火口付近の入山規制がかけられている中では止むを得ない判断だろうと思います。灰を被った雪渓の下にいるであろう行方不明者が御家族の元に戻る日が来ることを心から祈念申し上げます。

 DSC_2233

 猛暑のなかで、逝く夏を惜しむように蝉の声が響いています。

    冷て飲む酒に味あり蝉の声  井月

       土かぶりしは晩夏創生  朴翆

    夏は逝く酒中叟にも無垢の酒  青巒

 

 今週の結びは、愚良子先生のこの句です。

1 2 3

このブログのトップへ

このブログや記事に関するお問い合わせ窓口

上伊那地域振興局 総務管理課
TEL:0265-76-6800
FAX:0265-76-6804