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歴史的な農業用水路に興味津々!探検気分?

佐久市立浅科小学校4学年2クラスの皆さんが、地元の「五郎兵衛(ごろべえ)用水」を見学しました。

ところで「五郎兵衛用水」の「五郎兵衛」って、どんな人?

それは、戦国の世も終わりを告げた江戸時代の始めのこと、甲州の武田(信玄)家に仕えていた市川五郎兵衛(いちかわごろべえ)さんのことで「志はすでに武に非ず、殖産興業にあり」と、「砥石(といし)」の生産で蓄えた私財を投じて、水利に不便な荒地であった佐久の地に用水路を開削することにより、いくつもの「新田」を開発して食糧増産とともに農村の発展に貢献した人です。

こうして造られたのが佐久市内にある現在の「四ケ(しか)用水」「常木(つねぎ)用水」「五郎兵衛用水」であり、市川五郎兵衛さんは偉人どころか今日の佐久市の土台を創った「神様」として神社に祀られているのです!

そして、五郎兵衛用水で作られた美味しいお米は、県を代表するブランド米の一つである「五郎兵衛米」としてもその名を残し、今では幻の米とまで称されています!

五郎兵衛②
そうした五郎兵衛さんの偉業を礎に発展してきた地域の歴史を次世代へと継承するため、用水を管理している五郎兵衛用水土地改良区が中心となり、平成21年から地元の小学校4学年を対象に教育プログラムの一環として「五郎兵衛用水見学」を開催しています。

それでは、9月29日に開催された見学の実況を農地整備課のTALLがお伝えします。

8:00 「築堰(つきせぎ)」                                                                                                    小学校をいざ出発進行!

学校に隣接するどこにでもあるような何の変哲もない水路ですが、ここを流れる水がいつも見上げている蓼科山にある湧水を源としていること、その水を少しでも遠く広く届けるために土を盛り上げて高さを保つなどの技術や工夫が凝らされている「築堰」の秘密?を学びました。

五郎兵衛③ 

9:00 「五郎兵衛記念館」                                                                                                                その名のとおり用水の歴史を伝える記念館は入館無料!

ここでは、昭和33年に用水路の近代化改修工事が始められるまでの300年以上も水田を潤してきた用水路の昔と今の違いや、五郎兵衛さんの人柄その根底にある天台宗の教え「忘己利他(もうこりた)」おのれを忘れ他人に利するといった精神に基づく人徳について、五郎兵衛用水土地改良区の理事長さんから熱い想いを語っていただきました。

五郎兵衛④
続いて、農地整備課のソルトリバー&つるばみ2名により、用水の源にある水源涵養(かんよう)林(りん)の機能と用水路の特徴のひとつである「サイフォン管」の仕組みについて、模型や実験を織り交ぜて紹介しました。

記念館には、実際の「サイフォン管」の断面形状を再現した模型があり、それに水を流し入れると山の上から下って川の下を横断した水が、あら!不思議?今度は対岸の山の上へと水が斜面を登っていくよ?

その様子に子供達から驚きの歓声が重なります!

五郎兵衛⑤
次に、いわゆる「緑のダム」である森林の役割を実験とともに紹介。

ペットボトルに山の表土と校庭の砂をそれぞれ詰めた中に水を流し入れて、染み込んでいく違いを実験。子供達はキラキラとした目で興味津々!

ここでも驚きの歓声を持って応えてくれるなど、ナイスなリアクションに担当者のやる気がアップ!

その後「山の土から出る水は透きとおってる」「飲みたい!」「飲みた~い!」?など子供達の元気な叫び?声に押されて“あっぷ!あっぷ!”

五郎兵衛⑥
10:30 「五斗水(ごとみず)」                                                                                                       源水を求めて水源林の中へGo!

五郎兵衛⑦
源水は標高1800mの蓼科山麓に位置しており「ごとごと」と水が湧き出る様子から「五斗水(ごとみず)」と名付けられたとか?

五郎兵衛⑧
子供達は、持参したペットボトルに清冽な湧水を満たしてもらい、その場で味わう子、大事に仕舞う子、頭から浴びる子など様々でしたが、みんな一様にその冷たさ(水温8℃)に歓喜と歓声を上げるなどテンション“あげあげ”です。

五郎兵衛⑨
12:00 「女神湖」(赤沼ため池)                                                               青空のもと湖畔で昼食!

多くの観光客で賑わう女神湖ですが、実は農業用ため池で御牧ケ原台地の末端までおよそ50kmにわたる農業用水路の水源となっています。

因みに、女神湖のお隣にある「白樺湖」も農業用ため池!

五郎兵衛⑩ 

13:40 「頭首工(とうしゅこう)」

川から用水を取り入れるための堰(せき)を「頭首工」と言います。

五郎兵衛⑪
取り入れた用水に含まれた土砂は「沈砂池(ちんさち)」と呼ばれる施設で貯めて、「泥吐管(どろばきかん)」から吐き出すといった普段の管理作業を実演。

五郎兵衛⑫

いよいよ探検のメインイベント!?

沈砂池の下流には、現在は使われていない江戸時代に開削された隧道(ずいどう)の一部がそのまま残されており、ヘルメット・軍手・懐中電灯を身に着けた子供達が潜入します。

五郎兵衛⑬
ここでも好奇心を思う存分に発揮!

子供達から投げ掛けられる思い・想いの質問や驚きの言葉と感想を漏らしながら、興味津々で探検?を楽しみワイワイ・ガヤガヤ・キャーキャーとテンションもマックス!!

五郎兵衛⑭
内壁は鑿(のみ)による削り跡がそのまま残っており、その一つ一つに指を這わせれば当時の槌音(つちおと)が聞こえてくるようです?

当時の農民たちの苦労は並大抵のものではなく、生活に直結して命を支える用水を水田に導くための先人の強い決意を、子供達もきっと感じてくれたことでしょう。

その他、採光のための横穴?松明を置くための窪み?短いトンネルの中にも様々な情報が一杯!

まさに「生きた教材」ですね。

五郎兵衛①   五郎兵衛⑰ 

 

14:40 「布施分水」

先に紹介したサイフォン管の入り口にあたるのが、この布施分水です。

用水は、ここから山を下って布施川の下を横断して再び対岸の山の上へとサイフォンの原理で押し上げて五郎兵衛新田へ送水する一方、御牧ケ原台地へも送水するため3:1の割合で水を分けています。

五郎兵衛⑮
15:30 「大土手」

当時の水路は等高線沿いに山腹を縫うように掘り進め、崩落しないよう特に頑丈に造られた形状から大土手と呼ばれ、長野県の史跡に指定されています。

今回は時間の都合でバス車中からの見学となりました。

五郎兵衛⑳
 

16:00 探検?も無事終了して小学校へ帰還!

キラキラと目を輝かせて説明に聞き入り、真剣な眼差しで一生懸命メモを取る姿勢に励まされながら、私たちにとっても充実した一日となりました。

終わりの会では、子供達から「昔の人の苦労がわかった。」「あんな遠くから用水路を造ってきてすごいと思った。」など、用水をめぐる先人の苦労や驚きの技術、それを体験して学んだことが心に残り用水への愛着を少しでも感じてもらえたなら大成功!

見学をとおして五郎兵衛用水にとってかけがいのない応援団(財産?)が今年もまた増えました!

 

追 伸

10月14日の浅科小学校「地域参観日」において、五郎兵衛用水を題材に子供達が作成した新聞発表を参観させていただきました。

佐久市では小学4年生の副読本により五郎兵衛用水についても学ぶようですが、やはり実際に現場を見るとでは全く違うようで、それぞれの子供達の感受性の豊かさに驚かされるとともに感心しきりでした。

間違いなく、この先も用水を大切に思ってくれることでしょう!

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