2020.06.24 [ 南信州の観光・自然・花 ]
南信州”登山”日和Vol8~南アルプス三伏峠の植生復元ボランティア活動~
農地整備課の中年Yです。
新型コロナウイルス感染症対策の全国的な規制緩和がされた6月20日(土)、静岡県と南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークが主催する(協力:大鹿村)植生復元活動に参加してきました。
この活動は、静岡県と長野県の県境にあたる南アルプスで行われており、静岡県からの呼びかけに応じて長野県側からも毎年参加しています。
今回の作業箇所は日本で一番高い峠と言われている三伏峠(さんぷくとうげ)(標高2,607m)です。
この峠は南アルプス塩見岳の大鹿村側の登山口から3時間ほど登ったところにあります。
今年は新型コロナウイルス感染症対策のため、三伏峠小屋の営業はなく、入山は自粛となっており、鳥倉林道終点にある駐車場やトイレも閉鎖しています。
【鳥倉林道終点にある登山自粛の要請を促す看板】
【鳥倉林道終点にある駐車場は閉鎖中】
【鳥倉林道終点にあるトイレも閉鎖中】
しかし、これまでの活動の成果を存続させるため、大鹿村の協力を得て、今年もこの活動は実施されました。
今回参加したのは、南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークの関係者、環境省の職員等、南アルプスを取り囲む3県(長野県・静岡県・山梨県)から計9名です。
今回の作業は、高山植物を守るための防鹿ネットを張る作業。
防鹿ネットを張る作業は高山植物が芽吹き始めるこの時期に毎年行っています。
【作業前】
【作業後】
【作業中】
こちらは、常設型の鋼製ネット柵。
一年経つと雪の加重等で変形してくるので、毎年の維持補修が欠かせません。
今回は、ネットが低くなった箇所を嵩上げし、シカの侵入を防止します。
【作業前の説明:今回は低くなった箇所へ黄色のポールを継ぎ足し網を張りました】
【作業中】
【作業完了:黄色のポールの高さ分だけ柵高を嵩上げ】
それでは、これまでの活動の成果(柵の中と外での違い)を紹介いたしましょう!!
【食害を受け、丈がほとんどなく、地表すれすれで咲いているシナノキンバイ】
【鋼製ネット柵の中のシナノキンバイ(草丈33cm)】
【鋼製ネット柵の中で咲き誇るシナノキンバイと後方右奥の塩見岳】
毎年観察をしていますが、ミヤマクロユリの株の大きさは明らかに大きくなっているのがわかり、感動しました。南アルプスの中で、現在これだけ立派なミヤマクロユリの群落の姿を見られるのは、残念ながらこの柵の中だけです。
【鋼製ネット柵の中で咲くミヤマクロユリ(開花するまで柵設置から7年かかりました)】
2007年から、この活動に参加して14年が経ちました。
今年は新型コロナウイルス感染症対策のため、活動人員も少人数で実施する予定です。
一度は姿を消したかのように思われた貴重な植物たちが、こうして可愛らしく咲く姿が蘇ってきてくれて、本当にうれしく思います。
これからも県境を越えた仲間たちと一緒に活動を行っていきます。
この活動に興味のある方は、南アルプス高山植物ボランティアネットワークのフェイスブック(下記URL)をご覧ください!!
https://ja-jp.facebook.com/SAlpsVNW
なお、活動は三伏峠の他に聖岳や塩見岳(山頂直下)でも行っています。最近行ったボランティア記事はこちらです。
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