2017.09.06 [ 南信州の伝統・文化・史跡 ]
阿南町の伝統行事に行ってきました
空も白んできているなか、会場は賑わいが増していました。
櫓を囲む踊り手の輪も大きくなっていて、歌声は夜通し行われていたとは思えないほど大きくなっていました。
しばらくすると「踊り神送り」の行列がやってきました。
「踊り神送り」は新盆の方々が切子燈籠を持って、近くのお寺(瑞光院)に精霊をお送りするのですが、この行列が通ると盆踊りが終わってしまうので、行列の進行を阻止しようと小さな輪を作って踊り続け長引かせます。
何度も何度も輪を作り、肩を組んでスクラムを組み阻止し続けますが、行列はそれを崩しながらお寺を目指します。
ここで一つ非常に心に残ったのは、お寺に入る寸前、おそらく中学生から高校生くらいのグループが「最後は私たちだ!私たちがやらなきゃでしょ!」と最後の輪を作って踊り始めたところでした。
伝統のあるこの行事、「この地域に脈々と受け継がれているからこんなに長く続いてきているんだ。」「この子たちの中にもこんなに染みついているんだ。」と、とても深く感じられる一場面でした。
ラストは、行列が持っていた切子燈籠を潰して積み重ね、九字を切り、刀を抜いて道切りの式を行い、火をつけ先祖の霊を送ります。
火をつけると、「秋歌」という歌を歌いながら”振り向かずに”帰ります。
振り向くと悪霊にとりつかれてしまうと云われていて、「秋歌」を歌うことで秋を早く招き、悪霊たちにも「夏が終わり秋になった」と知らせて舞い戻ってくることを防いだといわれているそうです。
深く考えるとラストは少し怖い気もしますが、地域の皆さん・観覧に来ていた皆さん非常に楽しんで伝統に触れていることが感じられました。
また、この新野の盆踊りは昔から「出逢いの場」として親しまれていたとのことなので、出逢いもあるかもしれませんよ☆
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