こんにちは! 農地整備課です。
当課は、農業生産に必要なほ場、用水路、農道など生産基盤の整備を担当する事業課です。
先日、南信州14市町村と2つの土地改良区から組織される「飯伊農業農村整備研究会」主催の技術研修会に参加しました。
本年度のテーマは、農業用水を活用した小水力発電の取組みと水田の自動給水栓の実演です。
参加者は南信州の市町村と土地改良区の職員を中心に23名。
最初に訪れた研修先は、長野県企業局が管理する「西天竜発電所」です。この発電所は、岡谷市の頭首工で天竜川から取水し、天竜川右岸の農地約1,109ヘクタールを潤し、伊那市小沢に至る25km超のかんがい用水路「西天竜幹線水路」の末端に位置しています。水路末端の小沢川に流下する河岸段丘の落差を利用した発電所です。
最近の大規模改修により、かんがい期の少ない水量でも発電可能な水車を2台設置し、年間発電量も大幅に増加しました。(最大出力3,200kw、年間の発電量は約5,000世帯分の18,100千kWh)
発電所は地下3階に設置されており、騒音も気にならないとのことです。
地上部は芝生公園として整備され、市民の憩いの場として親しまれています。改修前の古い水車も展示されていました。また、災害時には、自立運転機能により近隣住民の非常電源を賄う計画になっているとのこと。頼もしいですね。
次は、伊那市春富土地改良区の管理する「春富水力発電所」の現場です。
こちらも農業用水を活用した小水力発電所です。高遠ダム(県企業局管理)から取水した農業用水を利用して発電しています。得られた売電益は、土地改良区の管理する農業水利施設の維持管理に充てられています。環境にやさしい取組みですね。
午後は、スマート農業の実演として、水稲栽培の水管理を自動で行える「自動給水栓」の実演を見学しました。
3つのメーカーから、しくみ、特徴、費用などを説明いただき、導入へ向けて参考となりました。
水稲栽培では、日々の水管理が労力の3割ほどを占めるそうです。今回の実演では、各水田の水位や水温をスマートフォンで確認する様子や遠隔でのバルブ操作を見学しました。
作業の効率化と収穫量増加も期待できる優れものです。勉強になりました!
飯伊農業農村整備整備研究会では、今後も農業農村整備にかかる現地研修を実施してまいります。
※西天竜発電所:https://naganoken-kigyokyoku.jp/powerstation/nishitenryu
伊那市春富水力発電所:http://www.suiryoku.com/gallery/nagano/harutomi/harutomi.html
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