2016.09.01 [ 南信州の伝統・文化・史跡 ]
~歌舞伎の競演~南信州民俗芸能【2016夏】③
こんにちは、地域政策課のHTです。
さて、2016夏の最後?の南信州民俗芸能となります「ようこそ、歌舞伎の世界へ 大鹿・下條歌舞伎の競演 ~地芝居を見まいか~」を8月28日(日)に飯田文化会館で鑑賞しました。
今回の開催は舞台芸術鑑賞事業企画委員会が主催し、県の地域発元気づくり支援金を活用していただいたイベントとなります。「大鹿・下條歌舞伎」はそれぞれ300年余の歴史があり、身近な地芝居の公演を通じて、地元の皆さんと伝統芸能のファンを増やし、次世代へ繋げていく機運を今以上に高めることを目的とした事業です。
一幕目は、国選択無形民俗文化財指定の「大鹿歌舞伎」の登場です。演目は平家物語の一ノ谷の戦いにおける源氏の熊谷次郎直実が平家の平敦盛を打ち取ろうとする姿を描いた「一谷嫩軍記 須磨浦の段」です。
出演した役者4人は、これからの「大鹿歌舞伎」を背負って立つ20~30代という若手です。若手といっても既にいくつもの舞台を経験しており、息の合った迫力ある演技におひねりやかけ声が飛び交いました。やはり、見得を切る時がカッコいいですね。終了後の大鹿村PRタイムでは、役者さんが愛称で呼ばれるなどファンが多いことが分かります。
続いての下條村PRタイムでは、カッセイカマンとゆるキャラの「からみん」が登場し、村の一体感がよく伝わりました。そして、いよいよ二幕目は、無形民俗文化財指定の「下條歌舞伎」の登場です。演目は子どもに読み書きを教える「寺子屋」が舞台となる「菅原伝授手習鑑 寺子屋の段」です。
役者21人が登場しましたが、そのうち2人は村外から初めて募集した一般参加の方です。前半の子役の立ち回りは間の取り方も上手く、会場の笑いを誘った見事な演技があり、後半は夫婦が恩人のために自らの子どもを犠牲にするストーリーと熱演に引き込まれ、目頭が熱くなる想いで鑑賞しました。今回、初めて「下條歌舞伎」を鑑賞しましたが、まとまりがあって、テンポも良く、人情味あふれる熱演にすっかり魅了されてしまいました。
人口減少が進む中、「大鹿・下條歌舞伎」に限らず、民俗芸能の継承には若者や地区外からの参加者をどのように増やしていくかが重要な視点となります。南信州地域には、古来より伝承されるお祭りや芸能が各地に多くあります。特に地元の若い皆さんには是非、ご参加をお願いします。
『「大鹿・下條歌舞伎」定期公演』
・「大鹿歌舞伎」秋の定期公演 日程:平成28年10月16日(日) 会場:大鹿村市場神社
・「下條歌舞伎」定期公演 日程:平成28年11月23日(水) 会場:下條村コスモホール
このブログへの取材依頼や情報提供、ご意見・ご要望はこちら
南信州地域振興局 総務管理課
TEL:0265-53-0400
FAX:0265-53-0404