―東京ですと全世界から食材が集まるかと思いますが、その中でも長野県の野菜は競争力があるということでしょうか。
長野県のズッキーニは東京で働いていた頃から使っています。根菜類も美味しいですし、採れたての葉物は食感や味が全然違います。畑の土が良いからだと思います。
―お店のコンセプトを教えてください。
軽井沢は美味しいものを食べ慣れた人と出会う確率が高い地域だと思います。一般的に軽井沢というと観光客向けのお店というイメージかもしれませんが、当店は地元の方や別荘の方に手頃な価格で質の良いものを提供するお店でありたいと考えています。料理的にはここがイタリアのひとつの州だったらというコンセプトなので、新鮮なものを新鮮なうちに美味しく食べて頂くことです。
―創業される際に鈴木さんご自身の経験以外で参考にされたものを教えてください。
こちらでお店をやっている方や地元の方に冬のことや食材のこと等を伺いました。軽井沢で長くお店をやっている方は業種を問わず、「3年やって初めて見えてくる」ということをみなさんおっしゃっていました。当店はちょうど3年目なのですが、確かにみなさんがおっしゃった通りだと感じています。
―軽井沢では東京とではどのようなことが違いますか?
お客様の流れが違います。東京はクリスマス等のイベントの時期はとても混みますが、軽井沢はGWから紅葉までがそれ以外の時期に比べると極端に忙しいです。また、冬はお正月を別荘で過ごす方がいらっしゃるため、クリスマスよりお正月等の方がお客様も多く、またカップルより家族連れの方が多かったりします。こういったことは1年経営しただけでは分からないです。
また、東京ですと人口の絶対数が多いので「あのお店美味しいよ」ということになると周りに情報が拡がるのが早いため、それを踏まえて広告宣伝をするということもありますが、ここでは同じ方法はとっていません。
今くり返しご来店いただいているお客様とそこから広がっていったお客様を大事にしていこうと考え、2年目からは広告宣伝を止めました。広告宣伝に比べて口コミで広がるのは時間がかかるかもしれませんが、「ローマは一日にして成らず」と言うように、ご来店いただいたお客様に質の高い仕事を積み重ねていくことが今後につながると考えています。
―創業して良かったことを教えてください。
自分が作りたかった料理を提供できていること、その料理を理解してくださるお客様がたくさん出来たことです。また、自分自身が直接対話をすることでお客様との距離がより近くなり、想いがダイレクトに伝わるようになったことも大きいです。
余談ですが、運営全般を自分でやらなければならない大変さはありますが、会社勤めの時のようなストレスがなくなりました。やるもやらないも自分次第のため、責任が大きくなった一方で、その分やりがいもあります。
―料理人の世界はとても厳しい世界だとお聞きしますが、辛いことがあってもあきらめず続けられた理由を教えてください。
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