2011.07.06 [ 信州大自然紀行環境保全研究所飯綱庁舎 ]
御嶽山(木曽のお山)
木曽の御嶽山。”夏でも寒いヨ”と唄われるように、標高が3000mを超える大きな火山です。歴史上の噴火記録がなくて死火山だと思われていたのに、1979年に突然水蒸気爆発を起こしました。火山噴火としてはかわいいおなら程度のものでしたが、当時の人々を大いに驚かせました。それをきっかけに、それまで使われていた「死火山」や「休火山」という火山用語も使われなくなりました。なぜなら、何十万年にもわたって怒ったり静まったりを繰り返す火山が、はたして死んでいるのか、あるいはちょっと休んでいるだけなのかは、人が判断できることではないことがよくわかったからです。
御嶽山は日本列島のど真ん中に位置する独立峰なので、遠くの山々からもよく見え、信仰の対象にもなっています。木曽町は東に中央アルプスの駒ヶ岳(2956m)を、西に御嶽山(3067m)をいただく町です。前者は7000万年くらい前の恐竜のいた時代に地下深くで固まったマグマが、この数十万年間に大きく隆起し削られて残った花崗岩の山。後者はこの数十万年間に地下から噴出したマグマが、何枚もの溶岩層や火山灰層となり、それらがうずたかく積もってできた活火山です。一つの町の両端に、性質の全く違う3000m級の名山が対峙しているというのは驚くべきことです。
この日は、仕事上偶然30年ぶりに再会した友人のHと町を巡りました。一緒に御嶽山を見ていたら、学生時代の出来事が昨日のことのように思われました。
~ 山滴る なんじゃらホイの月日かな ~
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