2025.02.18 [ レポートレンジャー自然公園生物多様性自然観察長野県自然保護レンジャー自然保護活動等功労者知事表彰 ]
【市川 伸人さん・市川 美智子さんインタビュー】「自然とのつながりを大切に。長野県の美しい自然環境と生態系を次世代へ」
長年にわたり長野県自然保護レンジャーとして、飯縄山周辺を中心に、環境美化活動や自然公園内での植物調査に取り組むなど、自然公園等の保全活動や生物多様性保全の普及啓発活動に取り組んでいる、市川 伸人(いちかわ のぶと)さんと市川 美智子(いちかわ みちこ)さんご夫妻。その功績が称えられ、令和6年度自然保護活動等功労者表彰において、自然保護レンジャー部門で知事表彰を受賞されました。令和6年9月某日、妙高戸隠連山国立公園 一の鳥居苑池周辺で自然保護レンジャー活動をしている市川さんご夫妻に、自然保護レンジャーの魅力や市川さんご夫妻が活動をする上で、心がけていることなどについて伺いました。
—-飯縄山を中心とした草花や木々の生態を記録した書籍を出版されている市川さんご夫妻ですが、自然保護レンジャーとして活動を始めたきっかけを教えてください。
美智子さん:その書籍を出版したあと、(その書籍に登場する)花たちが、ずっとこのまま毎年美しく咲き続けてくれればいいな、と思いました。そんな風に思っていたとき、たまたま「長野県自然保護レンジャー」の募集案内を見まして。2人で相談して、(自然保護レンジャーを)やってみようか、と。
伸人さん:活動を始めてから、あっという間に時が過ぎたという気持ちですね。
—-自然保護レンジャーの魅力や、やりがいについて教えてください。
美智子さん:自然の豊かさを実感します
夜行性のウサギが昼間にぴょんと飛び出してきた瞬間や、リスがくるみを食べる姿を見たときはとても感動します。リスがくるみを食べるときに『シェリシェリ』とかわいい音がするんです(笑)。
今までずっと何年も何年も同じ道を通っているのに、新しい花を見つけたりすることもあります。この前もひとつ新しい花を見つけて、「あ、こんなところに咲いている」と。うれしくなります。
伸人さん:自然保護の重要性とやりがいを感じます
登山道の「ササバギンラン(ラン科)」が踏まれて折れそうになっていました。このままではいけない、と思い、茎を真っ直ぐにして、再び踏まれないように(ササバギンランの)周りを小枝で囲って保護しました。
次の年の春、そのササバギンランに新しい芽が出て、花が咲いたのです。そのときはうれしかったです。
–活動中に国際交流があったとお聞きしました。
美智子さん:クマの気配を感じて引き返す途中で、台湾から来た女性と出会い、クマが出る危険を伝えたことがきっかけで交流が始まりました。言葉の壁はあったものの、「危険だから一緒に(山を)下りましょう」と。バス停に着くまでの国際交流です(笑)。
–台湾の方との交流は、とても貴重で楽しい経験だったようですね。
美智子さん:下りてくるときにたまたまウグイスの鳴き声が聞こえて、「日本のウグイスは春の鳥で、とてもいい鳴き声なんですよ」という話をしたら、その女性も台湾の国鳥や草花の話をしてくれました。お互いの国の自然について話し合うことができたのはとても貴重な経験でした。
–その方をバス停まで案内したことで、安全に帰る手助けにもつながりました。
伸人さん:私たちは日本語しか話すことができなくて・・・クマのことを「ベアー(bear)」とお伝えすれば良かったと、後になって反省しました(笑)。
—-自然保護レンジャー活動をする上で、心がけていることはありますか。
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