自然と遊ぼう!ネイチャーツアー

~自然に触れる、学ぶ、そして守る~ 自然環境や生物多様性、自然体験型ツアーについての情報をお届けします。

御嶽山噴火

9月27日(土)11時52分に御嶽山が噴火しました。

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写真は一夜明けた28日9時半頃に東方約15kmにある地蔵峠(木曽町)から見た噴火の様子です。この場所は、御嶽山の眺望箇所としてすぐれているので、以前にもこのブログで紹介しました。この日午前10時前後には、間欠的に真っ白い噴煙が400~500mの高さまで上がり、南方に流れていましたが、朝4時半から来ていたというおじさんの話では、早朝にはさらに高く噴煙が上がっていたとのことです。

足元をみると、路面や枯葉の上にうっすらと火山灰が積もっており、かすかに硫黄臭がします。下はその拡大で、目盛りは1ミリメートルです。やや粗い砂程度の粒径の軟質な石質粒子がほとんどを占めています。

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噴火が始まった時、中央アルプス(木曽山脈)東麓の伊那市では、4日間にわたる『日本ジオパーク全国大会』の開会式がまさに始まろうとしていました。伊那市と御嶽山は水平距離は40数kmととても近いのですが、間に中央アルプスがあるので、御嶽山は山に隠れて見えません。

その頃私は、伊那市の会場で関連するポスター展示の準備を終えて、外のベンチで昼食をとっていました。『ジオパーク』というのは地形や地質の魅力を活かして、地域を元気にしようという世界的な取り組みです。身近な地質現象に興味関心をもっていただくことは、観光に役立つだけでなく、防災や減災の上でも非常に大きな意味があります。しかし、幅広い時空間を扱う多様な地質現象の意味を、多くの人たちにじょうずに伝えるのは簡単なことではありません。ジオパークの大会中も、そういった現場の悩みや課題をたくさん伺いました。今回の噴火被害の全容はまだ明らかになっていませんが、被災された方々には心からお見舞い申し上げます。今は遭難者の救助が第一で、噴火がいつ収束するかもわからない状況ですが、本来、火山は怖さと恵みを併せもつ存在です。火山との賢明なつきあい方について、さらに議論を深め、さまざまな機会や方法を通じて理解を共有してゆけるようにしたいと思います。

 (投稿:長野県環境保全研究所 自然環境部 富樫)

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