2025.02.19 [ レポートインストラクタ自然公園生物多様性自然観察自然体験自然観察インストラクター自然保護活動等功労者知事表彰 ]
【木原 奉文さんインタビュー】「人間も自然の一部。五感を使って自然を感じる」
長年にわたり、自然観察インストラクターとして、須坂市坂田山や臥竜山を中心に、児童や地域住民を対象とした自然環境学習の指導を通じて、自然保護への理解促進等に取り組んでいる木原 奉文(きはら ともやす)さん。その功績が称えられ、令和6年度自然保護活動等功労者表彰において、自然観察インストラクター部門で知事表彰を受賞されました。令和6年9月某日、須坂市内の小学校2学年で行われた自然観察会に講師として参加した木原さんに、自然観察インストラクターの魅力や木原さんが活動する上で大切にしていることなどについて伺いました。
—–自然観察インストラクターとして活動を始めたきっかけを教えてください。
木原さん:1983年に、日本自然保護協会と長野県が共催した自然観察指導員講習会を受講したことが始まりです。その2年後に、仲間と一緒に自然観察会の活動を始めました。1993年に県の自然観察インストラクター制度ができたことをきっかけに(自然観察インストラクターの)登録をして現在も活動を続けています。
—-自然観察インストラクターの魅力や、やりがいに感じることを教えてください。
木原さん:自然観察会など、回数を重ねていくと繰り返し参加をしてくださる方も増え、大変うれしいです。また、親子を対象とした自然観察会などで、保護者の方から「子どもが夢中になっていました」「また(自然観察会を)やってください」という声を聞くとやりがいを感じます。
一番は、子どもたちが新しい発見をしたり、自然について学んだりする姿を見ることが大きな喜びですね。子どもたちが自然に興味を持ち、楽しんでいる姿を見ると活動の意義を強く感じます。
–小学生を対象にした自然観察会では300メートルの距離を2時間かけて進むこともあるとお聞きしました。
木原さん:木の実や葉っぱ、小さな虫など、子どもたちは色々なものを見つけてくれます。見つけたら教えてくれて、みんなで観察をします。そうすると「やっと300メートル進んだ」と。気づいたら2時間経っていました(笑)。子どもたちは本当におもしろいですね。
—–自然観察インストラクターの活動をする上で、心がけていることを教えてください。
木原さん:五感を使って自然を感じることの大切さを伝えることを心がけています。自然観察というと、視覚が中心になってしまいがちですが、聴覚、嗅覚、触覚などを使って自然を感じることができます。例えば、耳を澄まして虫の声を聞いたり、葉っぱの匂いを嗅いだりすることで、自然を違った面から楽しむことができます。
–実際に自然に触れることで得られる体験は、とても貴重ということでしょうか。
木原さん:小学生にアオサギの本物の羽を触らせたとき、「これは本物なのですか?」と聞かれたことが印象的でした。仮想現実や情報過多の時代において、本物に触れることや原体験の重要性を感じています。
—–受賞についての感想をお聞かせください。
木原さん:この受賞は、仲間と一緒に取り組んできたことの成果であり、仲間全員での受賞だと感じています。仲間の協力があってこそ、続けてくることができた活動なので、皆で喜びを分かち合いたいと思います。
—–自然観察インストラクター活動を通じて、長野県の自然環境の保全にご尽力いただき、感謝申し上げます。最後に今後の抱負を教えてください。
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