2011.06.28 [ 信州大自然紀行環境保全研究所飯綱庁舎 ]
赤沢自然休養林(木曽の渓谷)
上松町の木曽川支流の小川という川を西にさかのぼると、上流の赤沢にかけて急峻な地形が次第に穏やかに変わってゆくのがわかります。赤沢の奥には、森林セラピー基地でも知られる「赤沢自然休養林」があります。上松町には、木曽川本流に「寝覚ノ床」という名勝がありますが、赤沢自然休養林に行く道の途中にも「五枚修羅(ごまいしゅら)」という見どころがあります。観光客の多くは素通りする場所ですが、簡単にご紹介します。
そこでは延長数十メートルにも及ぶ広大な花崗岩の岩盤の上を、水が豪快に流れています(岩の上にいる人は地元の自然に詳しいKさん)。修羅というのは、かつて山の伐採木を運び出すために滑り台として設置した丸太組みを指す言葉です。この場所に発達する規則的な岩の割目(節理)が、まるで丸太組みの層を重ねたように見えることから、五枚修羅という名がついたようです。花崗岩は中央アルプスの駒ヶ岳の中心部をつくる花崗岩体と同じものです。急激に隆起する堅い地質とそれを激しく削りこむ川、渓谷のいのちは水と岩にあることを感じます。巨大な岩の上に立つと、自分がちっぽけに思われて、かえって愉快になります。森林浴もよいですが、自然の力と歴史を肌で感じるこういう場所の岩盤浴もいかがでしょうか。
沢奥の赤沢自然休養林には美しいヒノキ林があり、散策路が整備されています。昼寝ができそうな大岩もあります。一昨日、朝には雨が上がり、きらきら輝く清流のわきで、今年のオオヤマレンゲの花がゆっくりゆっくりひらいていきました。
~ ねんころろ おおやまれんげ ひらくまで ~
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