2013.03.15 [ 信州大自然紀行環境保全研究所飯綱庁舎 ]
おみかの滝(南相木村)
千曲川上流部に位置する南相木村には、名のある滝がいくつもあります。
その中でも、ひときわ見事なのが「おみかの滝」です。南相木小学校の前には、道をはさんで向かい側に駐車場と滝見台がありますが、そこで滝を見下ろすよりも、下流側に戻って下から見上げたほうが見応えがあります。先週訪ねた「おみかの滝」は、まだ一部が凍り付いていましたが、春の兆しにようやく目を覚ましつつありました。
下流から川沿いの階段を上ってゆくと、滝壺前面にそびえる泥岩の岩壁の中に小さな隧道が通してあり、その途中にくりぬかれた穴から滝を見ることができます。こんな風に岩壁の穴から真正面に眺められる滝はめったにないでしょう(スイスのユングフラウ登山鉄道途中の展望施設にちょっと似ています)。
さらに散策路を進んで滝に近づくと、見事に褶曲した層状の硬いチャートが、侵食と流水に抵抗して滝をつくっていることがわかります。はるかな大洋の深海底に降り積もった微細な放散虫化石の集まりが、やがて中生代ジュラ紀の付加体として大陸の縁にくっつき、今では信州の山懐に見事な滝をつくっている。その時空スケールと不思議を実感していただければと思います。
~ 旅人を滝が見ている 春夕べ ~
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