2020.08.24 [ 計量検定所 ]
計量女子の計量検定所日記「江戸時代のはかり定期検査の話」
こんにちは!計量女子です。毎日暑い日が続きますね。
暑さに負けず、当所の職員ははかりの検査で県内各地を飛び回っています。
今回は、そんなはかりの検査がなんと江戸時代には既に行われていた!という話をしたいと思います。
時は江戸、幕府は経済掌握の一環として、東西にはかりの統制のための秤座(はかりざ)=「はかりの製造、販売、はかり改め(検査)及び悪秤(わるばかり)の没収権限を許可された機関」を設けました。
はかり改めは、江戸・京都では定期的に行われましたが、地方ではひとつの場所が終われば次の場所へ移るといった方法で、国中を一巡するといったものでした。検査の周期は明確ではありませんが、7、8年から20年に1回くらいの割合だったようです。
江戸時代の初めは、許可のない秤は悪秤(わるばかり)として没収摘発されるだけでしたが、後年になると取り締まりが厳しくなり、秤座以外で製作された秤は、偽秤(にせばかり)として作ることはもとより使うだけでも死罪とされていました。今の罰則と比べると、随分と重たい刑罰ですね。
※(一社)日本計量振興協会発行「計量のひろば」No.56より引用
現代の日本では、正確でないはかりを使用しても江戸時代のような厳罰にはなりませんが、取引・証明に使用するはかりについては、検査を受けて常に正しいものを使用するようにしてくださいね。
(現在は、計量法で認められていないはかりを取引・証明に使用したり、使用するために所持していた場合は「6月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」、計量法で認められたはかりであっても定期検査を受けずに取引・証明に使用していた場合は「50万円以下の罰金に処する。」と規定されています。)
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