2021.08.17 [ 農地整備課 ]
安曇野市の小学生が『拾ケ堰』を学んでいます!!
こんにちは。松本地域振興局 農地整備課のIです。
私たち農地整備課は、毎年夏から秋にかけて、地域の小学生を対象とした施設見学会のお手伝いを行っています。この見学会は拾ケ堰土地改良区が主催するもので、地域の小学生に松本市から安曇野市に流れる農業用水路『拾ケ堰(ジッカセギ)』について説明を行います。
拾ケ堰とは、奈良井川(松本市島内)から取水し、梓川を横断し、烏川(安曇野市穂高)に至る長さ約15kmの農業用水路で、地域の発展に大きく貢献したことが評価され、2016年には世界かんがい施設遺産に登録されました。
見学会は平成13年から行われていて、今年で21年目となります。
今年は安曇野市内にある6つの小学校(豊科北、三郷、穂高南、堀金、豊科南、穂高西小学校)の4年生を対象に計19回実施されますが、今回初めて見学会のお手伝いに行ってきました。
松本市新橋近くにある頭首工(奈良井川からの取水口)で拾ケ堰土地改良区の方から拾ケ堰の歴史について説明を受けた小学生たちは、その水が梓川(アルプス大橋北側の川)の下を通って西側に抜けるサイフォンの出口にあるシールドマシーンの展示物前にやってきました。
私たちはまず、紙芝居やサイフォンの模型による実験を行ったのですが、子供たちにサイフォンに水を流すお手伝いをしてもらうと、水が川をくぐって対岸まで流れ着く様子を見て、驚いたり喜んだりしてくれました。
<紙芝居による説明>
<模型によるサイフォンの実験>
また、実際にシールドマシーンの模型を見ながら説明を聞いてもらい、サイフォンがどれほど大きなものかを理解してもらいました。
<シールドマシーン説明>
シールドマシーン前での説明の後、場所を移して、拾ケ堰右岸側の自転車広場で説明を行いました。
見学会を行った日はあいにくの天気で、あまり景色はよくなかったのですが、この自転車広場は撮影スポットして有名で、春には桜と常念岳をいっしょに見ることができます。
この場所では、昔と今の測量器具について説明を行いました。
拾ケ堰は同じくらいの高さで水を流す堰であり、水路の傾きは1/3000となっています。これは30m先で1cmだけ下がるということで、水路を築くためには正確な測量の技術が必要でした。
小学生の皆さんには、実際に江戸時代の測量器具を復元したものと、現代の測量器具を使って標尺を見てもらいました。私も測量器具をのぞいてみたのですが、現代のものではよく見えますが、昔の測量器具から見る標尺はとても小さく、この道具による長距離の測量はとても大変だったのだろうなと思いました。
<測量器具で標尺をのぞく様子>
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