2013.12.02 [ 企画振興課 ]
地域の知恵袋【信州大学理事・副学長 三浦義正さん】
今回の「地域知恵袋インタビュー」のお相手は、信州大学 理事・副学長 三浦義正さんです。
松本地域は、県内10広域の中で工業製品の出荷額が3割を超える最も大きな地域であり、大企業から中小企業まで多くの事業所が所在していますので、産業発展のポテンシャルが高い地域となっています。
また、松本市では、『健康寿命延伸都市』構想を掲げ、市民の健康寿命について、産学官連携による様々な取組みが進められており、長野県の『しあわせ信州創造プラン』とも方向性が一致していることから、次世代産業の創出の機運が高まっていると思います。
さらに松本地域には、信州大学のほか松本歯科大学や松本大学もあり、加えて長野県テクノ財団のメディカル産業支援センター、県工業技術総合センターもあるので、支援体制としては充実しています。
信州大学にはメディカル関連の支援機能が整っていますし、信州大学附属病院もありますので、メディカル関連産業の創出には適した地域と思います。
例えば、大学の研究活動等や医師や看護師が抱えているニーズなどを産業界に提示し、産業界と一体となって新商品開発や課題解決を図るといういわゆる『技術の橋渡し』ができると思います。先端的な医療機器の開発は規制の壁がありますので、比較的容易に規制をクリアできる装置や器具などの開発を提案し、中小企業の参画が促せるといいですね。
具体的には、信州大学附属病院内で、企業の医療機器や技術の展示会を開催し、多数の医療関係者が参加して情報交換を行っています。こうした取り組みを今後も継続し、既存製品の改良や新たな製品開発のヒントに繋げていきたいと考えています。
県では、『しあわせ信州創造プラン』や『長野県ものづくり産業振興戦略プラン』に基づき施策を展開されていますが、施策の効果を早期に実現するためには、思い切った予算を付けて、重点的に施策展開を行うことも必要ではないかと思います。
信州大学では文部科学省や経済産業省の制度を活用して数十億円規模の事業に取り組んでいますので、長野県でも億単位の施策を展開していただきたいと思います。また、大学と県行政の役割については、大学では高度な研究を進めるので、県には、大学との接点が少ない中小企業が円滑に連携できるよう支援や各方面の支援機関との調整もお願いしたいと考えています。
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