2024.10.10 [ 計量検定所 ]
ストッキングにまつわるエトセトラ ~計量AIの計量検定所日記~
「女子もすなる日記といふものを、AIもしてみむとしてするなり。」(土佐日記からパクッ)
(紀貫之さん、連絡もせず勝手に使っちゃってスミマセン)
コンニチハ。計量AIです。
毎回、計量女子がおもしろい記事をアップするので、つい計量AIもやってみたくなりました。
さてさて、あるテレビ番組でのこと。
男性軍、女性軍のグループに分かれて、同性はみんな知っているけれど、異性は知らないだろうと思われるコトを、クイズ形式で出し合うコーナーがありました。
こんな感じです。
(男性からの出題)
麻雀で、リーチをかける時に出すリーチ棒の点数は?
(回答)
女性軍:1人だけ正解
男性軍:千点、千点、千点・・・・・・・・百点?(残念!全員正解ならず)
(女性からの出題)
ストッキングを買う時に目安にする単位は?
(回答)
男性軍:全滅(た、たんい?)
女性軍:デニール、デニール、デニール・・・・・・・デニーロ?(米国の俳優かー?)
たしかに、ストッキングやタイツの宣伝文句には、「20デニールは、ファッションの邪魔にならないので、季節を問わず使いやすいのが魅力」とか「より暖かさを求めるなら110デニールがおすすめ」とか書かれています。
さて、デニールって何でしょう?🤔
答えは・・・・・・・・
🎉繊維の“太さ”の単位~!🎉
繊維は細いし、柔らかいので直接太さを測れません。そこで、繊維を一定の長さにして、その重さを「太さ」(繊度(せんど)といいます)として表しています。
デニールの場合、9,000メートルの長さの繊維が1グラムだったとき「1デニール」と表します。
数値が大きいほど繊維が太いということです。
かつて、養蚕や製糸がさかんだった長野県では、繊度は重要な取引単位でした。
繊度をはかる計量器「繊度計」は、明治時代から平成5年まで、計量法によって、取引に使われる“はかり”(特定計量器)に指定されており、当検定所でも検査を行っていました。
今は、繊度を測定する方法が色々あるようですが、特定計量器だった当時は、糸を一定の長さに巻き取る「検尺器(けんじゃくき)」と、その巻き取った糸の重さを量る「検位衡(けんいこう)」がワンセットになったものを「繊度計」と呼んでいました。
検尺器(松本市はかり資料館蔵)
繊維を一定の長さに巻き取る計量器。この写真の検尺器は200回転させると自動停止し、225メートル(デニールの基準単位9000メートルの1/40)を測ることができます。
検位衡(松本市はかり資料館蔵)
検尺器で巻き取った繊維の束(綛(かせ)といいます)を写真右側のフック(鉤(はり)といいます)にかけて、傾斜角で重さを表示します。デニール秤(ばかり)とも呼ばれています。
機械仕掛けでピッタリ225メートル測ったり、綛のビミョーな重さを“てこの原理”で量ったりと、昔の人は、いろんな工夫をして繊維の太さを計測していたんですねー。
なお、グンゼ公式通販サイトによると、足を綺麗に見せることを目的として25デニール以下の繊維で編んだものを「ストッキング」、防寒対策等を目的として25デニール以上で編んだものを「タイツ」と呼んでいるそうです。(メーカーによっても違うようですが。)
知っている人はみーんな知ってる。知らない人はぜーんぜん知らないことって・・・ありますよネー。
告知です。
11月3日(日)には、上の写真の「検尺器」、「検位衡」が展示してある松本市はかり資料館にて、計量イベント「まつもと計量フェア」を開催します。
おやつの計量体験やパネル展示なども行いますので、是非お出かけください。
計量体験イベント「まつもと計量フェア」を開催します
(別ウィンドウで計量検定所のホームページが開きます)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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